エキセントリックに弾けた 江戸琳派の奇才。| 鈴木其一

CGのポスターみたいな風景画や、白昼夢のような鳥獣図。この人工的でどぎつい色は、江戸時代の日本人の目にどう映ったのだろう?   江戸琳派の奇才・鈴木其一は、瀟洒な画風を得意とした酒井抱一の一番弟子。其一も抱一に倣い、繊細で情緒的な草花図や花鳥図を描いていた。ところが、抱一が逝去すると、突然、何かから解き放たれたように大胆不敵な絵を描き始める。自然の姿を強引に再構築し、それまでの日本絵画にはなかった

Friday Disasters(2007)|ジョージ・ウィディーンアー

 アメリカ人のアーティスト、ウィディーンアー(1962−)。実はこのお方、スパイ、ホームレス、賭博師……と驚きの肩書(?)に、自閉症者でサヴァン症候群という特異な才能を持つ、一筋縄ではいかない人物です。そんな彼、子供の頃から「カレンダー」に取り憑かれているんだって。数字は日付に置き換えないと認識できないそう。「ほかの子たちがオモチャで遊んでいる時に、僕は日付を並べていたんだ」というように、その執着

アブストラクト・ペインティング(946-3)(2017)|ゲルハルト・リヒター

 2012年、存命作家の最高額となる3,400万ドルで絵画が落札されたことが大きな話題になったゲルハルト・リヒター。が、“ドイツ最高峰の画家”と呼ばれるワケは価格のためではない! 85歳の今も現役バリバリ、精力的に制作を続ける彼の新作は「アブストラクト・ペインティング」と題された、色鮮やかな抽象画シリーズ。(上のように)こんなに小さな画像にしても伝わってくる、幾層にも塗り込められた絵の具の質感やボ

Matching Pair(2017)|グレイソン・ペリー

「壺」と言ったら、骨董屋の商品でしょーとか、お金持ちの家の客間に飾ってあったよーなとか、そもそも何に使うのよ? ……と、まったく身近に感じないシロモノですよね。でも、そんな“古臭い”先入観を払拭してくれるのがこのグレイソン・ペリー(1960〜) というイギリス人のアーティスト。20 03年にイギリス現代美術の最高賞といわれるターナー賞を受賞した、国際的な評価も高い作家です。今年、彼が制作した新作は

マッツ・グスタフソンがヌードをテーマに描いた展覧会が開催中。

〈MA2 Gallery〉にて、約40年にわたりファッション界で活躍してきたアーティスト、マッツ・グスタフソンの『NUDE』展が開催中だ。  グスタフソンは1951年スウェーデンに生まれ70年代後半にニューヨークへ移住。『ヴォーグ』や『ハーパーズ バザー』をはじめとする数々のモード誌でイラストを手がけてきた、いわばファッションイラストレーターの重鎮。そのイラストはまるで服の情報を排除するかのように

Stop Action(2015)|ウィリアム・ウェグマン

 1943年、アメリカ生まれのウェグマン。もとは絵描きとしてその名を知られるようになったアーティストですが、70年代から自身が飼っていた犬を被写体に写真作品を発表するように。ずっと撮り続け、そして代々飼い続けているのが、この作品にも写るワイマラナーという犬種。グレーの毛並みと瞳が美しい狩猟犬で、日本でも時々見かけますよね。ウェグマンが作品に起用したことで、西洋では広くポップカルチャーのアイコン的な

かわいいだけじゃない世界にある、無限のストーリー。

 中村万緑子さんが作り出す作品は、布や様々な素材を使って、見たこともない世界を見せてくれる。かわいらしい人形やパペットのほかにも、心が躍るような服、ちょっと不思議なカバンなど、作品は多岐にわたる。そんな〈banryoku〉(中村万緑子) 初の作品集『The worth of worth less things』は、昨年行われた 個展の作品を、写真家・森本菜穂子さんが撮り下ろしたもの。banryok

人間って美しい。忘れかけていた感覚を取り戻せるアート展。

 絵画や彫刻、現代のイラストレーションなどのアート作品のなかで、多くのアーティストが題材にし、鑑賞者の目を惹き付けるモチーフの一つが、女性を描いたものだろう。女性の美しい姿を表現した作品は、昔から世界中で愛されてきた。不朽の名作といわれるレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」をはじめとして、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や、ラファエロの描く聖母など、美しい女性をモチーフに描かれた作品の数々

不確かで非効率な過程を経てこそ、表現は花開く。

 現代美術と演劇。2つの分野で縦横無尽に活躍するやなぎみわの表現の源にあるのは、“不確実なことがら”。「例えば野外劇は、その日の天候や様々な条件に左右されます。人間の力ではどうにもならない無力さを痛感させられる一方で、そのために奇跡的なワンシーンに偶然出会えることもあるんです。不確実で非効率、困難が伴うものの中にこそ豊かさがある。人間の欲望を効率よく掻き立てる資本主義の今の世の中に、アートだけが唯

Niagara(2000)|ジェフ・クーンズ

 ジェフ・クーンズ(1955−)が描いた幅約4.3×高さ約3mの巨大な油絵です。悪名高いことでも知られるクーンズですが、そのワケは、制作をアルバイトに任せて「金で解決している!」 「ゲスい内容の作品ばかりつくっている!」なんて噂されていることに明白でしょう。でも実際には、オークションで約58億円という現代作家の過去最高落札額を打ち出し、次々と驚愕の価格で作品が競り落とされ続けているんです。どうも話

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