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京都〈山岡酒店〉溝の口〈すがや〉ビール愛がスゴい町の酒屋

町で愛される酒屋の中にも、クラフトビールの愛好家が、そこここに。彼らがセレクトするビールが並ぶセラーには、醸造家やインポーターとの深いつながりあってこそ、のボトルや缶が。クラフトビールにハマった理由や品揃えの方向性について聞いた。「神泉〈平野屋酒店〉中目黒〈出口屋〉ビール愛がスゴい町の酒屋」も読む

Photo: Koh Akazawa, Kunihiro Fukumori (Yamaoka) / Text: Emi Suzuki, Mako Yamato (Yamaoka)

山岡酒店(今出川/京都)

国内外320種以上の銘柄を揃え
関西で抜群の知名度を誇る

世間のブームに左右されず、クラフトビール愛を貫く3代目店主の山岡茂和さん。

昭和初期に創業した昔ながらの風情を漂わせつつ、クラフトビール界では高い知名度を誇る。店主の山岡茂和さんは今はなき岐阜の〈博石館ビール〉に出会い、地ビールの扉が開かれたという。

「2000年前後にランビックやバーレーワインを造っていた個性的なブルワリー。味わいや酔い方が、日本酒好きの自分に合って」と振り返る。03年にはクラフトビールの売り上げが底だったという事実をものともせず、飲んで薦めたいものを扱うことで専門性を高めていった。現在では国内270種類、アメリカ中心の輸入ビール50種ほどを扱い、ビアスタイルも幅広い。半分は数量や季節限定という品揃えで、宝探しの感覚だ。

「酸味と香りが楽しめるセゾンや人気のヘイジーIPAなど、新たな体験ができるものがオススメです」

「ネクターのような濃厚さ。食中酒にも」という〈ウッドミルブルワリー・京都〉のヘイジーIPA モザイクパンチ ¥680(中央)。長野〈志賀高原ビール〉インディアンサマーセゾン ¥460(右から2番目)。
軒先には地元野菜も並ぶ。

すがや(溝の口/川崎)

町のよろず屋兼酒店は掘り出し物の宝庫
ベルギービールを中心に約800銘柄を扱う

3ℓのビッグボトルをひょいと持ち上げ、抱きかかえる2代目の菅谷由芳子さん。

昭和45(1970)年、かき氷屋として始まり、よろず屋も兼ねた酒屋に。今でも店舗面積の半分以上は食料品や日用品が占める。

「ビールにハマるきっかけになったのはシメイ。修道院で造られているビールだと聞き、そんなものがこの世に存在するのかと驚いた。それからどんどんのめり込み、ベルギーの醸造所巡りもしました」と創業者の次女、菅谷由芳子さん。

店の奥の棚とセラーには、ベルギーを中心にビールが所狭しと並ぶが、室温はビール向けにしっかりと温度管理されている。酵母の含有量が多く、よりおいしいという珍しいマグナム、ダブルマグナムも。「ベルギービールは歴史が古く、いろんなタイプがあるから面白い。ホップの産地でもあるため、ホップの香りをしっかりと感じられるビールほど愛しく感じます」

ナポレオンの時代に開発され、現地では特殊なグラス「馬上杯」で飲まれる「パウエル・クワック」(中央左)や、カルメル修道院の伝統に従って醸造される「トリペルカルメリート」(中央右)750㎖各¥1,334
庶民的な店構え。