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神泉〈平野屋酒店〉中目黒〈出口屋〉ビール愛がスゴい町の酒屋

町で愛される酒屋の中にも、クラフトビールの愛好家が、そこここに。彼らがセレクトするビールが並ぶセラーには、醸造家やインポーターとの深いつながりあってこそ、のボトルや缶が。クラフトビールにハマった理由や品揃えの方向性について聞いた。

Photo: Koh Akazawa, Kunihiro Fukumori (Yamaoka) / Text: Emi Suzuki, Mako Yamato (Yamaoka)

平野屋酒店(神泉/東京)

商品の回転が速く、新作も続々入荷
一期一会のおいしさを体感できる酒屋

日本未上陸のブルワリーと取引して、卸売りもする予定と5代目の平野明良さん。

明治40(1907)年創業の老舗を、5代目店主の平野明良さんが〈ブラッセルズ〉などでバーテンダーの経験を積んだ後に、2013年クラフトビール中心の酒屋兼ビアスタンドに改装。さらに2021年3月に同じビル内の隣に移転し、スペースを3倍拡張、商品も拡充。

「当初はベルギーに特化していましたが、IPAブームにより、アメリカ、カナダのビールも増やしています。特にカナダは、アメリカに比べて日本での認知度がまだ低いですが、自分が留学していたこともあって力を入れています。カナダは、アメリカ北西部を中心に醸造されるノースウェストスタイルIPAの流れを汲んだモルト感の強いしっかりとしたボディが特徴。新作や話題の商品も積極的に仕入れて、お客さんに新たな出会いを提供したいです」

カナダでも人気が高い、バンクーバー〈ストラスコナ〉のラインナップは必見。
ビアスタンド併設の店内は、平野さん行きつけのアイリッシュパブ〈アボットチョイス〉や古巣〈ブラッセルズ〉を参考に、シックな内装に仕上げた。

出口屋(中目黒/東京)

ブルワリーとの信頼関係が垣間見える
唯一無二のラインナップ

「個人的に大好き」など、ポップからもバイヤー杉田剛史さんのビール愛が伝わる。

昭和8(1933)年創業の〈出口屋〉に、杉田剛史さんが入社したのは約15年前。当時はワイン中心の酒店だったが、クラフトビールの人気が広まりつつあったこともあり、杉田さんがビールのバイヤーを任された。

「ビール選びの基本スタンスは、蔵元と直接取引すること。だから国内ならブルワリーに極力足を運んで、醸造家の思いをヒアリングします。たとえ少し味にブレがあったとしても、造り手の個性や生き方までもが滲み出てくるようなビールほど魅力を感じます。流行に流されることなく、長く付き合いたい。限定ビールだけでなく、定番品も大切にすることで信頼関係が築け、生産量が少ないビールも仕入れることができるので、安定して商品をお客さんにお届けできています」

野生酵母や地元産小麦などが香る木更津の〈SONGBIRD BEER〉や、野沢温泉の湧き水で仕込む〈AJB Co.〉など、土地や素材が醸し出すテロワールを感じられるブルワリーのビールが並ぶ。
山手通り沿いにある、シックな酒屋。