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「おさらば 気分で、さようなら」

戌井昭人『沓が行く。』

No. 940(2021.06.01発行)
京都で見る、買う、食べる、101のこと

 なんだか わたし浮上しはじめたみたい、たしかにわたしはそこにいるのだけれど、どういうわけだか、わたし自身から抜けだして、風船みたいにぷいぷい浮かんで上へ向かっているの、しばらくするとわたしは小さくなり、点になり、見えなくなってしまいました。どう考えたってわたしはわたしなのに、わたしは見えず、富士山なんかが見えてきた、いったいわたしはなんだったの? 富士山よりも見たいものがあるのにさ、嫌になっちゃう。

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いぬい・あきと

〈鉄割アルバトロスケット〉主宰。近著に『さのよいよい』(新潮社)など。著書多数。

編集/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS940号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は940号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.940
京都で見る、買う、食べる、101のこと(2021.06.01発行)

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