アート

展示からコンサルまで。若手作家の支援も行うオンラインギャラリー。『KUNST100』●Berlin

Coming Soon?? |日本に来て来て、あの店、このサービス!

No. 939(2021.05.17発行)
続・花と花束。
アパートの一室を拠点に昨年開催した初のバーチャル展覧会『No touching』。世界中から30名の作家が参加。

このビジネスの魅力は?

1. 若手アーティストを発掘しオンラインで展示。
2. 作家向けに開発した専用アプリでサポート。
3. 初心者でも購入しやすい手頃な価格帯で販売。


華やかさの一方で、閉鎖的なイメージがつきまとうアート業界。〈Kunst100〉はそんな現状に風穴を開けるべく、2018年にいちアートファンから転身した創業者、リラ・ネッツレーターのリビングルームで始まった。「この世界では作家の経歴が重視されがちで、金額設定も不透明なケースが多い。アーティストと購入者双方にとって公平なプラットフォームが必要だったんです」とリラ。友人のアーティストの作品を自宅で展示したことを皮切りに、次第に規模を拡大。現在ドイツを中心にヨーロッパの作家約60人を抱え、今後は欧州外にも拠点を広げたいと語る。

 この春から新しい試みとして、アーティスト向けのオリジナルアプリも開発。これは作品の展示を希望する作家側の売り込み手段、つまり〈Kunst100〉にとっては新鋭作家の発掘の場であると同時に、所属するアーティストとのコミュニケーションツールとしても機能する。アプリを通じて対話を重ね、展示が決まればアーティストはデジタルアカウントで作品を管理、販売状況を追跡できる。

 作品の販売価格は30ユーロからとアート初心者でも購入しやすい設定に抑え、市場の活性化にも貢献。〈Kunst100〉が模索するこの“デジタルギャラリー”のビジネスモデルは、オフラインでの集客が困難なコロナ禍が追い風となり、注目度はうなぎ上り。世界的なトレンドとなりそうだ。

リラ(左)と共同運営者のリサ・コステンコ。
所属アーティスト「ビングス」(左)と展示の準備中。
作家との密な対話を重視する。
購入者へ向けたオンラインコンサルも。
作品の保管など地道な作業も多い。
アプリ「artist.kunst100.com」は3月にローンチ。
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『クンスト100』
作品の販売は公式サイト(www.kunst100.com)から。毎週金曜、インスタ(@kunst100)でライブセッションを行う。今年中にベルリンとデュッセルドルフでグループ展を開催予定。

text/
Akiko Watanabe
edit/
Hiroko Yabuki

本記事は雑誌BRUTUS939号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は939号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.939
続・花と花束。(2021.05.17発行)

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