アート

The Great Wall of Los Angeles(1976〜)|ジュディ・バカ

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 938(2021.05.01発行)
HOME SWEET HOME 居住空間学2021
Courtesy Judith F. Baca and SPARC

 ロサンゼルスのノース・ハリウッド地区に、高さ約4m、長さ840mという世界最大級の壁画があるのをご存じですか。制作したのはメキシコ系アメリカ人アーティスト、ジュディ・バカ。といっても、もちろん一人で描いたのではありません。地元の若者たちやアーティストと協働し、1976年から約10年をかけて完成しました(現在、再び壁画を延長する企画が進行中)。でもそこには、リラックスムードのおしゃれビーチもなけりゃハリウッドセレブの姿もありません。これまで歴史教育の中で見過ごされてきた少数民族や移民、女性、ゲイやレズビアンといったマイノリティに焦点を当て、先史時代〜1960年代のカリフォルニアの歴史が6つのセクションに分けて描かれています。さて、完成から40年ほどが過ぎた今、「I will build a Great Wall」と放言した前大統領がいる国と、Great Wall of China(万里の長城)の国との溝は深まるばかり。そしてグレートウォールなき日本が持ち合わせているのは? 板挟み用の板くらいかしら……。

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文/
中村志保

本記事は雑誌BRUTUS938号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は938号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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