アート

Two Cells with Circulating Conduit (1986)|ピーター・ハリー

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 937(2021.04.15発行)
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない
©Peter Halley

 上の作品を一目見て思い浮かぶのは、電池の配列でしょうか。あれっ、並列だっけ直列だっけ……と、小学生の頃に習った記憶は曖昧ですが(並列回路です!)。この絵を制作したピーター・ハリーは1953年生まれ、特に80年代後半に台頭した「ネオ・ジオ」と呼ばれるアートの動向に位置づけられるアーティストです。ネオ・ジオとは、「ネオ・ジオメトリック・コンセプチュアリズム」の略。と聞いて、イエロー・マジック・オーケストラとかサディスティック・ミカ・バンドを思い浮かべてしまったあなた、残念です。さてさて、このネオ・ジオ。幾何学的な図形を用いて現代の都市風景や事象を表しているそうです。同時に、社会通念や既存の価値観に縛られる、人間の思考パターンを痛烈に批判しているんだとか。どうでしょう、そう言われればこの絵が人間の脳の回路にも建築物にも、ひいては原発にまで見えてきたりするのが不思議です。あの頃理科の実験で見た、回路に繋がれた豆電球が今また点灯し始めたようですよ。

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文/
中村志保

本記事は雑誌BRUTUS937号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は937号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.937
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない(2021.04.15発行)

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