エンターテインメント

美しく狂気的な映像が、頭から離れません。|佐久間宣行 → 岩崎う大

佐久間宣行のカルチャー交歓!

No. 937(2021.04.15発行)
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない

 佐久間です。今回のゲストは、かもめんたるの岩崎う大くん。10年ほど前からの付き合いで、『ゴッドタン』でコントをやってもらったり、最近では僕が担当しているドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京)にも出てもらったりなど、ちょこちょこお仕事でご一緒しています。もちろん、劇団かもめんたるの演劇もよく観させてもらっていて。う大くんの作品には元来、情けなくてしょうもない人間への絶望が詰まっていて、心をえぐられるような狂気を感じるのですが、特にエログロ要素が強かった初期に対して、最近はそこにほんの少し温かさが加わり、また独特の作風に変化しています。その真骨頂が昨年の演劇『君とならどんな夕暮れも怖くない』。傑作でした。間違いなくう大くんは天才の一人だと思います。そんな彼に観てほしいのが映画『ネオン・デーモン』。嫉妬や欲望が渦巻くファッション業界を舞台に、トップモデルを夢見る無垢な少女が少しずつ邪悪さに呑まれるさまを描いたサスペンススリラー作品で、初期の劇団かもめんたるの作品にも通じる、美しさと狂気が描かれています。後半、ストーリーは予想外の暴力性を孕んで展開し、観終えた時の後味は最悪(笑)。それでもやけに頭に残るのは、良い作品だからなんだろうなと。正直、2回目は観たくないですが(苦笑)、これをう大くんが観るとどう感じるのかに興味があります。ぜひ感想を聞かせてください。

©2016 Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch

『ネオン・デーモン』

トップモデルを目指す16歳のジェシー。彼女を待っていたのは、嫉妬心剥き出しのライバルと、自身の心に眠っていた異常なまでの野心だった  。監督:ニコラス・ウィンディング・レフン/出演:エル・ファニングほか/ギャガ/1,257円(DVD)。


エンターテインメントカテゴリの記事をもっと読む

佐久間宣行

さくま・のぶゆき/1975年福島県生まれ。テレビ東京プロデューサーを経て独立。『あちこちオードリー』や『ゴッドタン』等を担当のほか『オールナイトニッポン0(ZERO)』出演中。

岩崎う大
いわさき・うだい/1978年東京都生まれ。お笑いコンビ・かもめんたるとして2013年のキングオブコントで優勝。15年からは劇団かもめんたるを旗揚げし、劇作家としても活躍中。

編集・文/
福島絵美

本記事は雑誌BRUTUS937号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は937号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.937
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない(2021.04.15発行)

関連記事