【住宅街でお肉を】Burger POLICE/Étape

グルマン温故知新

No. 937(2021.04.15発行)
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない

推しは牛肉、東西に登場したカジュアルビストロ。

まずは野菜を主体に気の利いたアレンジが魅力の前菜を。メインでは、並々ならぬこだわりがありながら、気張らず牛肉をカジュアルに楽しませる。日本人の胃袋が今、欲しがっているのは、きっとこんなスタイル。モリモリ英気を養える、大人好みの新店です。

【Burger POLICE ●都立大学】思いも挟む、料理人目線のバーガービストロ。

 肉が旨い薪焼きイタリアンで知られる〈TACUBO〉のオーナーシェフ田窪大祐さん。「今、苦労を強いられている生産者を応援したい」とプロデュースしたのが、こちら。自店と同じ食材を使った料理をたくさんの人に楽しんでもらえるよう行き着いたのが、バーガービストロだ。

 スペシャリティの「塩バーガー」は、バンズの粉の甘味と香りが一体になるバランスを追求。肉の旨味がダイレクトに伝わるようレタスやトマトを挟まず、ソースもなし。付け合わせもピクルスのみと潔いことこの上なし。ソースありのバーガーはフランスパンに近いドギーバンズを使い分け、本気度を窺わせる。「バーガーに野菜を挟まない分、メニューに野菜を使った前菜をたくさん揃えています。メインにハンバーガーが食べられるビストロだと思ってもらえたら」と、サービスの松本直樹さん。

 お隣は碑文谷警察署だから、店名は〈バーガーポリス〉。お後がよろしいようで。

〈TACUBO〉育ちでハンバーガー好きというシェフの金垣友也さん。
塩バーガー

パテは和牛経産牛スネ肉を使用。酒種を使った新宿〈手作りのパン 峰屋〉のバンズはふっくらモチモチ。「肉まんのイメージ」で肉汁を包み込む。仕上げにスライスした有塩バターをプラス。フレッシュ感のあるピクルスは切り干し大根が食感のアクセント。食べ飽きないシンプルイズベストなバーガー。1,980円。

ラディッキオのサラダ アンチョビ風味

「〈TACUBO〉がイタリアンなので、前菜ではイタリア産の野菜も使っています」と松本さん。ラディッキオの心地いい苦味は、体が喜ぶ味わい。アンチョビの風味がたまらない。おつまみにも最適な一品。1,320円。

茹で上げ白アスパラ 焦がしバターソース

極太の白アスパラは歯応え抜群。この日はフランス・ロワール産。みずみずしくジューシーで、甘味が口いっぱいに広がる。ローストしたヘーゼルナッツ、コショウの香りとチーズの塩っ気でワインが進む。1本1,000円。

店内の造りもシンプル。カウンターにテーブル席も。

【Étape ●本所吾妻橋】エスプリの効いた下町のカジュアルフレンチ。

 オーナーシェフの河村神賜さんはフランス・パリのビストロや星付きレストラン〈タイユヴァン〉等で8年間にわたり修業。帰国後は東京のレストランで料理長を経験し、このたび、本所吾妻橋で自店をオープンした。

大阪府出身、話し上手なオーナーシェフの河村神賜さん。

 ウニのパンペルデュに、〈プラザ アテネ〉の魚部門にいたシェフから学んだブイヤベースもエスプリの効いた味わいに舌を巻くが、肉料理はそれをしのぐ。メインは、滋賀の精肉店〈サカエヤ〉の新保吉伸さんが手当てした牛肉。近江牛ランプなら、高温の油を何度も回しかけてアロゼし、オーブンで焼いては休ませ、休ませては焼きを繰り返す。「北京ダックの感覚。この焼き方だと胃の負担も少ないようで、お客さまの食べる量が増えました」と、河村さん。

 前菜は彩り良く健康的で、個性を表現できる野菜が中心。極力生に近い状態で調理し、1ツ星仕込みの「いじりすぎず、輪郭を残せ」を実践中。おかげで満足度は高く、体も軽やか。

滋賀 近江牛ランプ

フライパンの温度は高くしすぎず、油がフツフツと泡立つくらいの火加減をキープ。牛肉の表面の色が変わり、カリッとしてきたら高速でアロゼして芯温を上げていく。付け合わせは、兵庫〈よつばfarm〉の無農薬・無化学肥料で育てた生命力溢れる季節の野菜をたっぷりと。写真は1人前100g。4,000円。

雲丹のパンペルデュ

フレンチトーストの料理バージョン。卵、牛乳、ウニを混ぜた液にトーストを浸し、香ばしく焼き上げて。ホウレン草のバターソテーとウニがベストマッチ。マスカルポーネチーズをつけてどうぞ。写真は1人前。1,600円。

特製ブイヤベース

魚の内臓以外、骨も鱗も叩いてから炒めて、煮込んだ後にミキサーでスープ状に。この日は五島列島産の尾長鯛。切り身は生のままソースに入れて保温するようにじんわり火入れ。旨味しかない逸品。写真は1人前。2,000円。

カウンター主体の店内は木を生かした明るくナチュラルな雰囲気。
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Burger POLICE

電話:03・6303・1104
営業時間:11時30分〜14時30分LO、17時〜22時LO。
酒:ビール880円〜、スパークリング・グラスワイン990円〜。
価格:アペタイザー880円〜、ハンバーガー1,540円〜、デザート660円。
席数:カウンター6席、テーブル6卓16席。

東京都目黒区碑文谷4−24−16 モナーク碑文谷104号。木曜休。交通:東急東横線都立大学駅南口から徒歩8分。2021年2月28日オープン。17時以降の入店は別途席料として550円。プレミアム塩バーガー3,190円、〈TACUBO〉のボロネーゼソースを使ったザ・バーガー2,640円、やま幸®の鮪バーガー1,980円、羊SUN
RISE®バーガー1,980円、王様しいたけ®バーガー1,540円もあり。

Étape

電話:03・5809・7452
営業時間:12時〜14時LO(土・日のみ)、17時〜22時LO。
酒:グラスワイン750円〜、ボトルワイン4,000円〜。
価格:お任せコース5皿5,000円ほか、前菜1,300円〜。
席数:カウンター6席、テーブル1卓4席。

東京都墨田区東駒形2−21−6。水曜休。交通:都営浅草線本所吾妻橋駅A0番出口から徒歩7分。2021年3月6日オープン。ボトル1本につき3,000円でワイン持ち込み可能。メニューはシェアスタイルのアラカルトにお任せコース5皿5,0
00円、6皿8,000円、7皿12,000円も。価格に応じて銘柄豚、滋賀県近江牛ランプ肉、岡山ブラウンスイス牛と肉の種類が変更。グラスワインは赤・白各3種。

photo/
Shin-ichi Yokoyama
文/
粂 真美子

本記事は雑誌BRUTUS937号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は937号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.937
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない(2021.04.15発行)

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