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元たばこ工場の浴場を アップデートした 話題のライブラリー。『不只是圖書館』●Taipei

Coming Soon?? |日本に来て来て、あの店、このサービス!

No. 937(2021.04.15発行)
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない
半円形の浴槽を残したリーディング室。天井の通気口にはワイヤー照明が。タイルや木製の窓枠も往時のまま。

この施設の魅力は?

1. 元たばこ工場に併設された女性浴場を改装。
2. 気鋭のクリエイターの推薦図書を入場券に掲載。
3. デザイン雑誌や書籍が多数、イベントも開催する。


歴史建築のリノベーションが盛んな台湾。なかでも注目は2020年夏にリニューアルした〈不只是圖書館〉だ。築84年の元たばこ工場を再利用した一大文化ハブ〈松山文創園區〉で、倉庫として使われていた女性浴場跡を整備。運営母体は政府系デザイン振興機関〈台湾設計研究院〉で、デザインや芸術、建築に関する雑誌を100タイトル余り、書籍1万冊以上を取り扱う。グラフィックデザイナー、黃家賢による図書カードを模した入場券には、台湾のアートシーンを彩るクリエイターたちの推薦図書を記載。それらを参考に本を選ぶことができる試みも面白い。

 館内デザインを手がけたのは、2020年に観光列車「鳴日號」で日本のグッドデザイン賞を受賞した邱柏文率いる〈柏成設計〉。「本のお風呂に浸かる」というコンセプトのもと本来の姿を残して設計。市の保存対象でもあるため、改築にあたり釘は一切使用されていない。庭は景観デザイン会社〈太研設計〉が担当。ハーブやシダ植物など台湾原産種中心に100種類を植樹し、憩いの場へと変身させた。

 ライブラリーとしてはもちろん、ワーキングスペースとしても重宝されていて、すでに入館者数は前年比の3倍を記録。講座やトークショーも盛況だ。オリジナルの良さを生かしつつ、クリエイティブに新たな息吹を吹き込んでいく妙案は、銭湯の廃業が増えている日本でも有効なのでは。

かつてのロッカールームも大浴場風にリデザイン。
黃氏推薦の本が並ぶ。
入場券は28人分(種類)、それぞれ図書リストが。デザイナー〈O.OO〉は台北発のインディ雑誌『Eighth Grade』(左)、キュレーター・王耀邦は坂本龍一氏の著作を推薦。
昨年の入場券を展示。
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不只是圖書館
Not Just Library

館内には靴を脱いで入る。もともとは施設内の別室にあったが、元浴室を改装して移った。●台北市信義區光復南路133號。10時~18時。月曜休。入場料80元(学生60元)。10枚組チケット500元。

photo/
Wakako Gomi
text/
Mari Katakura
edit/
Hiroko Yabuki

本記事は雑誌BRUTUS937号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は937号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.937
やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない(2021.04.15発行)

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