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天下取り・家康の熱心なダイエット。

生島淳の僕しか知らないアスリートの秘密

No. 936(2021.04.01発行)
猫になりたい

 大阪城ジョグへと出かけたら、とにかくデカい。世界の城を見学してきたが、こんな巨大な城は見たことがない。1615年、徳川家康はこの城を攻略したが、司馬遼太郎の『城塞』を読んでいたら、家康について興味深い記述を見つけた。

「関ヶ原のころは、体重がどんどん増えてついに自分で褌も締められず、毎朝、侍女が前後からかれの褌を締めるという滑稽な状態にまでなった」

 ヤバい太り方だ。ところが、家康はこのあと永らえるためダイエットに励むようになり、ことにエクササイズを好んだ。『城塞』には次のような記述が並ぶ。「家康は毎朝、馬場に出て馬を責め、さらに、鉄砲を三発、撃ち放った」「夏は水泳もした」「さらには、たえず鷹野(鷹狩)をした」。めちゃくちゃアクティブだったのである。ちなみに東京の「三鷹」の地名は将軍家が鷹狩に来ていたのが由来だ。

 400年前のダイエット。どうやら、家康は若い時から医学に関心を示し、知識も豊富だったと司馬遼太郎は書く。

「痩せることが長命のためにいいということを家康が知っていたということは、保健思想史からみて、家康は世界史的な存在かもしれない」

 信長は49歳、秀吉は61歳で亡くなったが、最終的に家康が天下を取れたのは、ダイエットに成功し、72歳まで生きたから、という話。みな、家康に学ぶべし。

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いくしま・じゅん

スポーツジャーナリスト。近著に『どんな男になんねん』などがある。

イラスト/
土車大八

本記事は雑誌BRUTUS936号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は936号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.936
猫になりたい(2021.04.01発行)

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