【アジアン食堂】鶯嶁荘 also/アジア屋台食堂 ピポンペン

グルマン温故知新

No. 936(2021.04.01発行)
猫になりたい

行った気になる⁉ 異国情緒にひたれる店。

気軽に旅に出ることが難しくなった今だからだろうか、どこかを旅した気分になれる新店が続々オープンしている。いずれも、人気を博した店による次の一手。台湾テイストにどっぷり浸るか、はたまた1軒で食のアジア周遊紀行と洒落込むか。

【鶯嶁荘 also ●白山】水餃子酒場の次の手は、台湾ワンタン専門店。

 台湾の稀少な山胡椒「馬告」香る水餃子で、すっかりお馴染みになった江戸川橋〈FUJI COMMUNICATION〉。新たな台湾ストリートフードを主役に据えた店を開いた。

 店を営む近藤喬哉さんと齋藤翼さんコンビが、足繁く通った台湾で出会った「大饂飩(台湾ワンタン)」は、中国料理のそれとは違い、餡がたっぷりでふくよか。台湾では、実は水餃子と同じくらいポピュラーだというワンタン、本場の味に近づけるべく、皮は粉の挽き方からこだわり、手のばししている。

空き時間には、スタッフがせっせとワンタンを包む。

 ほかにメニューに並ぶのは、クリスピー唐揚げや魯肉飯といった台湾ローカルのつまみ。合わせる酒は世界のビールに、ナチュラルワイン、台湾ウイスキー「KAVALAN」など。ワンタンの皮を入れて醸造するクラフトビール、という変わり種も!

 駅近に立つ古い一軒家を、台湾風のレトロな窓枠「鐵窗」を特注して飾るなど、料理のみならず雰囲気作りにも心を砕く。

豚肉ワンタン

必ず食べたい台湾ワンタンは、豚肉のほか旬野菜、旬キノコ、エビ、ホタテの4種。いずれも、自家製の薄い皮に餡がたっぷりと包まれていて、ふっくら、ジュワッ。味つけには化学調味料を一切使わず、昆布やシイタケの粉末などで自然な旨味に。550円(4個)。4種のワンタンがのる総合ワンタン麺850円も。

排骨

肩ロースの1枚肉に下味をつけた豚肉の唐揚げは、アクセントのカレー粉の香りが食欲を刺激する。衣にはタピオカ粉を使い、カリッとした食感に仕上げる。最後に、五香粉を加えた醤油ベースのタレをかけて。700円。

鶏肉飯

ジャスミンライスと日本米をブレンドしたご飯の上には、現地でよく見るほぐした鶏肉ではなく、しっとりとゆでたぶつ切りの骨付きもも肉がゴロゴロと。ご飯が進む甘辛いタレをかけ、ショウガと青菜を添えて。700円。

台南で訪れた、白一色のビアバーの内装をイメージしたという空間。

【アジア屋台食堂 ピポンペン ●代々木公園】アジアの茶色いおかずが大集合の食堂。

 代々木公園の人気ベトナム料理店〈ヨヨナム〉などを手がけるヤマモトタロヲさんが新店をオープン。お手本になったのは、ベトナムの大衆食堂「コムビンザン」。昼はショーケースから主菜を選び、おまかせのお惣菜とともにワンプレートに。夜はそれに加えて、酒が進むおつまみメニューもあれこれと。

 店のスタイルはベトナムだが、料理はベトナムのほか中国、台湾、タイなど、アジア諸国の味を幅広く取り入れる。中には人気の料理家による「ご飯に合う」がテーマの料理も。〈ヨヨナム〉のメニュー監修も手がける植松良枝さんの「ラーパーツァイ」や、小堀紀代美さん(LIKE LIKE KITCHEN)の「玉葱焼売」、しらいのりこさん(ごはん同盟)の「中華ちまき」など。

 ベトナムのホイアンランプが灯る空間で、タイやベトナムで買い付けたキッチュな食器に盛り付けられたお惣菜をコップワインと一緒に味わえば、ひととき旅気分に浸れる。

店長・シェフの大場雄介さん。スタッフは全員、イメージカラーのエプロン姿。
魯肉飯+おまかせ惣菜3品

4種あるセットメニューの中でこれが一番人気。大きく切った豚バラ肉に八角や五香粉を効かせた魯肉飯は、小堀紀代美さんのレシピだ。黒酢醤油の味玉で満足度がさらにUP。惣菜は日替わりで、写真は辣白菜、アジアン3色ナムル、ジャンポーロー(大根の紹興酒漬け)。肉も野菜もたっぷり! 1,100円。

ベトナムソーセージ

夜は、主菜やお惣菜をおつまみとして単品で食べられる。こちらは鶏肉をベースにキクラゲ、春雨、レモングラス、コブミカンの葉などを混ぜて作った、爽やかな香りと軽快な食感が楽しいソーセージ。450円(1本)。

台湾風焼きそば

麺は、もちもち食感の中太麺。具は豚肉、モヤシ、ニラ。ゴマ油で炒めたら、中国のたまり醤油とオイスターソースでしっかりめに味つけを。仕上げに山椒を効かせて香り良く。酒のツマミになる麺だ。750円。

照明やインテリアもアジアンテイストで統一。
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鶯嶁荘 also

電話:03・5615・9969
営業時間:11時30分〜14時LO、17時30分〜22時LO。
酒:ビール600円〜、グラスワイン800円〜、ウイスキー500円〜。
価格:台湾ワンタン550円〜、前菜400円〜、一品料理600円〜、飯・麺600円〜。
席数:テーブル22卓60席、カウンター9席。

東京都文京区白山5−32−13。月曜休(祝日の場合は翌火曜休)。交通:都営三田線白山駅から徒歩1分。2021年2月13日オープン。料理やクラフトビール、ナチュラルワインは、テーブルにあるQRコードを読み込んでスマートフォンからオーダーするシステム。缶ビールやボトル入りのソフトドリンクは冷蔵庫からセルフで。台湾ワンタンや一品料理の一部、ご飯ものはテイクアウトも可能だ。

アジア屋台食堂 ピポンペン

電話:03・6407・8345
営業時間:11時30分〜22時フードLO。
酒:ビール300円〜、コップワイン600円〜、レモンサワー500円。
価格:セットメニュー900円〜、おつまみ150円〜、台湾風カステラ200円。
席数:テーブル6卓12席、カウンター3席、テラス3席。

東京都渋谷区神山町40−1 鈴井ビル2F。不定休(Instagramで告知)。交通:東京メトロ代々木公園駅から徒歩5分。2021年2月22日オープン。“ピポンペン”という店名は「アジアのどこかにありそうな空想都市をイメージした」とヤマモトさん。セットのご飯大盛り(+100円)や、炊き込みご飯などのご飯バージョンアップ(+150円〜)、本日のスープ150円などカスタマイズも。

photo/
Yoichiro Kikuchi
文/
小石原はるか

本記事は雑誌BRUTUS936号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は936号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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