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テーマ〈続・飽きる〉

平常心ブラザーズの平常心を失くす日。

No. 935(2021.03.15発行)
始まりの服。
宮沢章夫
やついいちろう
やつい
お客さんも戸惑いますよね。お笑いから転身して、物語がある演劇書いて、違うお客さんが増えていく。でも、不条理劇でまた切り離してしまうという。
宮沢
それはね、僕のわがままですよ(笑)。毎回毎回、嫌われるね。そこ期待してないっていうか。だって、チャンバラトリオがチャンバラやらなくなったら嫌われるじゃん。
やつい
マリックさん出てきて漫談やられてもっていう話ですよ。
宮沢
そうなんだよ。でも、そんなこと考えてなかった。自分がやりたいことがいいなと思ってた。
やつい
もちろん誰にでも許されてますよ。でも選ばない。なんでかって、客が来なくなったり、評価が下がったりするかもしれないから。でも、宮沢さんはそこを厭わないですよね。普通、勝手にやってたらいいじゃんってなるけど、クオリティをキープして評価も受けつつって、難しいですよ。
宮沢
まあダメなら田舎に帰るか、ビール工場でバイトすればいいと思ってたから。
やつい
ビール工場?
宮沢
「中央フリーウェイ」ですよ、荒井由実の。右に見える競馬場、左はビール工場。あのビール工場でバイトしてたんだよ。あの歌聞くと泣きながら働いた時代がさあ(笑)。
やつい
思い出すんですね。
宮沢
日払いのバイトで、一日中流れてくるカートンを洗ってた。
やつい
絶対戻りたくないですよね。
宮沢
この世の吹き溜まりみたいな場所だった。年齢もいろいろな人がいた。当時、俺は22、23だったから、本当は40代だったのかもしれないけど、おじいさんが働いているなって思ってた。いろんな人がいて、面白かったし、勉強になったけどね。
やつい
僕もダクト清掃してましたけど、それも日払いでしたね。夢持っている人が多かったけど、どうなったんだろう。日払いだから、もらった瞬間に使っちゃう。家に帰るのも面倒くさいって、詰所で寝て、パチンコ行って、夜そのままバスに乗っていく。ここにいたらダメだと思ってました。
宮沢
もしかしたらビール工場の人たちも、中央高速を越えて、そのまま競馬場に行ってたのかもしれない。府中競馬場なんだけど、重賞レースの後とかすごいよあの街。(続く)
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宮沢章夫

遊園地再生事業団主宰。著書に『長くなるのでまたにする。』ほか、多数。

やついいちろう

3月20日に、大阪のHEP HALLにてエレキコミックショーを開催。

写真・編集・文/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS935号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は935号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.935
始まりの服。(2021.03.15発行)

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