【住宅街の昼飲み酒場】no.502/コンビニエンスストア髙橋

グルマン温故知新

No. 933(2021.02.15発行)
アイドルマスター

テイクアウトあり、物販あり。住宅街の昼から飲める酒場。

一軒はパン屋、もう一軒は酒屋が柱。ともに昼から飲めて、惣菜のテイクアウトができて、物販もいろいろ、というスタイルで、住宅街に根づき、ファンを集めて小さなコミュニティを形成している。早い時間からの一杯やテイクアウトのニーズが高まる今、注目の新店。

【no.502 ●千歳船橋】デリも物販も。地域密着型のボーダレス角打ち。

 コンクリート打ち放しの酒屋らしからぬ空間で人気を博した外苑前のナチュラルワインショップ〈no.501〉が、2号店をオープンした。今度は昔ながらの住宅街に残る古い木造一軒家を改装。1階は立ち飲みカウンターを備えたワインとデリ、セレクト食材のショップ。2階は、ゆっくり食事ができるダイニング。全方位型の地域密着店だ。

 卵黄のコンフィと燻製マッシュポテトが添えられた和牛のローストビーフあり、ヴィーガン対応の野菜のフリットあり。料理はレストランのクオリティだ。シェフは、スコットランド人男性と、イタリアで5年間修業した日本人女性。国籍もジェンダーも世代も超えた「ボーダレスな場所に」というコンセプトを、厨房から体現するというわけ。朝9時からの終日営業ゆえ、のんびり昼酒もよし、夕飯用の惣菜とワインを調達しつつ軽く一杯、も。子供連れからお年寄りの一人客までが“境界なく”集う地域の場になりつつある。

東京のレストランでも活躍したジェームズ・バックリーさん(右)と日吉美代子さんが厨房に。
no.502 デリ盛り合わせ

写真上から時計回りに、エビのベトナム風、大根とトマトのシトラスマリネ、レンズ豆とナスのオーガニックヨーグルト和え、根菜のマリナーラ、キヌアのサラダ。真ん中が自家製の鴨ハム、発酵ベリーのソース。100g~テイクアウト可能。盛り合わせは5〜6種、内容は時季替わり。2人分1,600円。

カリフラワーのフリット 豆腐とアボカド

豆腐とアボカドソースは、軽やかなムース状。カリフラワーを揚げた後、デュカというスパイシーなナッツをまとわせ、香ばしさとコクをプラス。食感や味の重なりが豊かで、満足度の高いヴィーガンメニュー。1,200円。

北海道産和牛イチボのローストビーフ

イチボのローストビーフに黒ニンニクのアイヨリと、タマネギとエシャロットのソースを添えて。付け合わせは、燻製をかけたマッシュポテトと卵黄のコンフィ。燻香とコクが、ワインとの相性を深める。1,700円。

内装も尾藤さんが手がけた。

【コンビニエンスストア髙橋 ●練馬春日町】飲めて、買えて、くつろげる、次代のコンビニ。

 カウンターには焼きたてのパンが並び、スープやカレーとのセットはイートインでも、テイクアウトでも。店内ではナチュラルワインやクラフトビールを昼から楽しめ、スペシャルティコーヒーは豆も販売。パンだけ買いに、ワインを一杯だけ、もオッケーだ。進化を遂げつつ、東京の隅々まで拡張する自由な酒場。その最前線。

 夫の髙橋諒自さんがパンを焼き、妻のネイトさんが料理を担当。国産小麦の生地で焼く香り豊かなパンは、それだけでいい酒のアテに。高知〈ファーム・ベジコ〉の野菜をたっぷり使い、酸味やスパイスでメリハリを利かせた料理とも引き立て合う。諒自さんは、サーフィン目当てに3年暮らしたオーストラリアのバイロン・ベイでベジタリアンフードやローフードに出会い、食の道を志したのだとか。聞いて納得、コンビニというより食堂と商店を兼ねた海の家のよう。穏やかで健やかな空気に、夫妻の人柄がにじみ出ている。

仲のいい友人同士のような諒自さん(左) とネイトさん。
ファラフェル、フムス、パン

ファラフェルサンドをワンプレートで。ファラフェルにはヨーグルトソースを、フムスはパプリカパウダーとたっぷりのオリーブオイルを添えて。薄切りキュウリとバジルのサラダも、キノコのマリネも塩や油の加減がきっちり決まった味。飲んでつまんで、挟んで、と二度おいしいサンド。ドリンク付き1,200円。

カレーとパン

スパイシーな南インド風のカレーを、パンとともに。写真は、チキンとセロリの葉のカレー。香味が爽やか。パンは、カンパーニュとディンケル(古代小麦)の2種。カレーもパンも時季替わり。ドリンク付き1,200円。

キャロットバナナケーキ

ケーキもネイトさんの担当。「食べ慣れない方には、野菜だけだと抵抗があるから」と、バナナとの合わせ技に。食感を残したキャロットとたっぷりのスパイス、バナナの甘味が絶妙なバランス。ワインにも合う。850円。

内装からステンドグラスなどの装飾まで、親族総出で手がけた。
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no.502 / ナンバー ゴーマルニ

電話:03・6413・5550
営業時間:9時~21時(フード20時LO)。
酒:グラスワイン8~10種650円~、ボトルの抜栓料は2,000円。
価格:アラカルトのみ約15種。前菜1,200円~、メイン1,800円~。
席数:1階は立ち飲み(最大8人)、2階7卓14席。

東京都世田谷区桜丘5−16−9。不定休。交通:小田急小田原線千歳船橋駅南口から徒歩5分。2020年11月30日オープン。2階はテーブルチャージ500円。デリは常時6~7種、100g430円~。オーナーはファッションショーなどの演出を手がける尾藤信吾さん。近く、故郷の広島県に自社ワイナリーを開業予定だ。同県三原市の障害者支援施設の米を自社ブランドとして店頭販売するなどの取り組みも。

コンビニエンスストア髙橋

電話:03・5848・9127
営業時間:10時~18時(パンが売り切れ次第閉店)。
酒:ビール(小瓶)600円~、グラスワイン800円~、コーヒー500円。
価格:料理とパンのセット6~7種1,100円~(サラダ、ドリンク付き)。
席数:カウンター9席、テーブル2卓8席。

東京都練馬区春日町3−4−4。火曜・水曜休。交通:都営大江戸線練馬春日町A1出口から徒歩7分。2020年11月20日オープン。パンは約10種250円~で、イートイン時はワンドリンクオーダーを。諒自さんは鎌倉〈パラダイスアレイ〉の勝見淳平さんを師と仰ぎ、勝見さんの縁で沖縄や箱根の店で修業。練馬春日町はネイトさんの地元。今後、店舗を持たない料理人による間借り営業なども計画中。

photo/
Naoki Tani
文/
佐々木ケイ

本記事は雑誌BRUTUS933号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は933号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.933
アイドルマスター(2021.02.15発行)

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