エンターテインメント

全米ナンバーワンに輝きました。『Dynamite』BTS

西寺郷太のポップ警察〜名曲・珍曲・捜査録〜

No. 932(2021.02.01発行)
音楽と酒。
MVは7億回再生を突破。ソングライターのデヴィッド・スチュワートはイギリス人。ほぼ無名だった彼も大ブレイク。グラミー賞受賞は堅い!

いまさらだけどBTSにマイケルの影響を見て感動!

 昨年は〈BTS〉に〈BLACKPINK〉、そして〈NiziU〉をブレイクさせたプロデューサーJ.Y.Parkことパク・ジニョンさんの活動、つまり「K−POP」に、NetflixやYouTube、Spotifyなどを通じて夢中になった日々でした。

 きっかけは、僕より2歳上で、同世代のJ.Y.Parkさんが「マイケル・ジャクソン、プリンス、ジョージ・マイケルの3人を敬愛している」と公言していることを知ったこと。勝手に「俺とおんなじ感覚の人に初めて出会えた!」と感動した同時期に、BTSの大ヒット曲「Dynamite」のミュージック・ビデオでメンバーのRMさんがラップするレコード・ショップのシーンに、ワム!のファーストアルバム『ファンタスティック』のジャケットが登場したことが決め手に! ロック・ファンの多い日本人以上に、1980年代のMTVポップスや、90年代前後のダンス・ミュージックに影響を受けたK-POPのサウンド感にいまさら自分との親和性を感じて……。かなり遅いんですけど(苦笑)。

 BTSは全員素晴らしいんですが、特にハイトーン・ボイスのジミンのボーカルに夢中。彼らがマイケル・ジャクソンにオマージュを捧げた衣装を身に纏いパフォーマンスをするたびに、マイケルと親交もあった憧れのミュージカル・ダンサー、フレッド・アステアを追悼するため、彼と同じ白スーツ、青シャツ姿で「スムース・クリミナル」のダンスを踊ったマイケルを思い出すんです。韓国アーティストとして初めてビルボードのメイン・シングル・チャート「HOT100」を2度も制し、3月に延期された2021年グラミー賞でも初ノミネートと勢いに乗る彼ら。

 僕のような80年代当時を知る子供は、マイケルを通じてアステアのかっこよさや過去のミュージカル映画の歴史を知りました。白人のアステアのダンスやファッションを、黒人であるマイケルがトリビュートすることに差別的な批判もあった時代でしたが、マイケルは人種を超えたボーダレスな世界を切り拓いたんです。今、世界中の子供たちがBTSをきっかけに、またさらにマイケルのダンスや音楽の魅力に触れるというルートが生まれていることに、感謝と感動しかありません。

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にしでら・ごうた

音楽家。ノーナ・リーヴス。イラストも担当した『ディスカバー・マイケルTHE BOOK』発売中。ニューアルバム制作中。

文・題字/
西寺郷太
編集/
辛島いづみ

本記事は雑誌BRUTUS932号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は932号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.932
音楽と酒。(2021.02.01発行)

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