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相田周二 × 西尾勇輝|三四郎・相田周二さんが歩く、『サイバーパンク2077』の世界。

BRUTUSCOPE

No. 931(2021.01.12発行)
なにしろカスタード好きなもので。
相田周二(左) 西尾勇輝(右)

寄り道ばかりのナイトシティライフ。

発表から8年、CD PROJEKT REDが開発した待望の近未来オープンワールドRPG『サイバーパンク2077』が発売された。舞台となるのは1980年に興った“サイバーパンク”の世界観を踏襲した、映画『ブレードランナー』のようなネオン煌めく電脳都市ナイトシティ。ゲーム番組『勇者ああああ』(テレビ東京)のナレーションを担当し、ゲーム好きとして知られる三四郎の相田周二さんが、ローカライズを担当したCD PROJEKT RED ジャパンの西尾勇輝さんに本作の魅力を尋ねた。

相田周二
街が隅々まで作り込まれているから、ゲームを進めるよりも、つい路地裏に入っちゃうんです。治安が悪くて、悪ガキに因縁をつけられて。
西尾勇輝
(笑)。そんなディストピアな世界観は、1990年に発売されたTRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)『サイバーパンク2.0.2.0.』を原作としています。資本主義が成熟し、コンピューターが普及し始めた80年代から見た2077年の近未来ですね。
相田
西尾さんはこのゲームのローカライズを担当されたんでしたよね?
西尾
そうです。TRPGは会話だけで物語を進めるゲームで、その軸となるルールブックがあるんです。1993年に発売された『2.0.2.0.』日本語版では、“ザ・翻訳”というような遠回しな翻訳がカッコいいとされていたので、その雰囲気は残しつつ微調整しました。
相田
「KARAOKE」とか「ラーメン」とか「HOテル」みたいな日本語の看板を眺めて散歩するのも楽しいです。
西尾
本国ポーランドのデザイナーが作る、いい意味で“勘違いジャパン”なところはあえて残しています。

街を歩き、会話をするうち、ナイトシティに馴染んでいく。

相田
冒頭で選ぶ「ライフパス」は、物語にどんな影響があるんですか? 
西尾
主人公“V(ヴィー)”が傭兵稼業を始めた出自で、ゲーム中の選択肢が変わります。「ストリートキッド」は生粋のナイトシティっ子。「コーポレート」は日系財閥アラサカの社員。「ノーマッド」は輸送車を襲撃して暮らしている放浪者です。
相田
なるほど。Vの見た目を決めるだけで1時間かかりましたよ。結局、やはり主人公は丸刈りにタトゥしかない と思って『プリズン・ブレイク』のマイケル・スコフィールドに似せました。
西尾
いいと思います(笑)。
相田
仲間たちも魅力的ですよね。相棒のジャッキーは頼りになるし、母親思いのいいヤツ。遠隔でサポートしてくれるT−バグのバトルチュートリアルは厳しかったけど。やたら上から来るし。
西尾
彼女なりのお茶目なんですけどね(笑)。バトルはいかがでしたか? 
相田
常に回復薬を注射してます。一人称視点のゲームをあんまりやらないので、かなり新鮮でした。
西尾
カメラの画角がプレーヤーの視野角なので、物語に没入できるんです。でも、必ずしも直接戦う必要はないんですよ。電子機器を遠隔操作する“ハッキング”が戦いの醍醐味でもありますから。
相田
僕、バイきんぐの小峠さんに“ロシアのハッカーみたいな顔”って言われてるんで、ハッキング頑張ります。
西尾
ロシアのハッカーも出てくるはずですよ(笑)。作中ではソ連の設定ですけど。新アメリカ合衆国という新しい国も誕生しています。
相田
情報が膨大ですね。
西尾
データベースを開くと、各国の歴史も学べますよ。
相田
また寄り道してしまう…… でも、そういう世界情勢も、街の人たちと話したり、仕事を受けたりするうちに自然と理解できていくんですよね。
西尾
ローカライズで気をつけたのがそこです。会話によって物語の輪郭が形作られるのがTRPGの最大の特徴ですから。行間を読みながら、ゆっくりナイトシティの住人になってください。
相田
まずは路地裏を制覇します!
独立都市ナイトシティで傭兵”サイバーパンク”として泥くさい仕事を請け負うVは、不老不死をもたらすインプラントを追うことに。物語の鍵を握る人物ジョニー・シルヴァーハンドをキアヌ・リーヴスが演じている。
独立都市ナイトシティで傭兵”サイバーパンク”として泥くさい仕事を請け負うVは、不老不死をもたらすインプラントを追うことに。物語の鍵を握る人物ジョニー・シルヴァーハンドをキアヌ・リーヴスが演じている。
独立都市ナイトシティで傭兵”サイバーパンク”として泥くさい仕事を請け負うVは、不老不死をもたらすインプラントを追うことに。物語の鍵を握る人物ジョニー・シルヴァーハンドをキアヌ・リーヴスが演じている。
独立都市ナイトシティで傭兵”サイバーパンク”として泥くさい仕事を請け負うVは、不老不死をもたらすインプラントを追うことに。物語の鍵を握る人物ジョニー・シルヴァーハンドをキアヌ・リーヴスが演じている。

『サイバーパンク 2077』

1人称視点のオープンワールドRPG。2020年12月20日現在PlayStation StoreのPS4版のDL販売は中止中。CD PROJECT RED、スパイク・チュンソフト/通常版7,980円。

*販売状況等についてはCD PROJEKT RED(https://support.cdprojektred.com/ja/cyberpunk/pc)までお問い合わせください。


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西尾勇輝
にしお・ゆうき/1985年生まれ。スクウェア・エニックスを経てCD PROJEKT RED ジャパン・ローカライズマネージャーに。翻訳作品に『ライフ イズ ストレンジ』『オーバーウォッチ』など。

相田周二
あいだ・しゅうじ/1983年東京都生まれ。2005年に小宮浩信とお笑いコンビ三四郎を結成。今春、『三四郎のオールナイトニッポン』イベントが東京国際フォーラム ホールAで開催予定。

photo/
Naoto Date
text/
Neo Iida

本記事は雑誌BRUTUS931号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は931号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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