エンターテインメント

ストレンジャーの旅路に、2020年、世界の今を憂う。『天国にちがいない』

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 930(2020.12.15発行)
世の中が変わるときに読む本。
『天国にちがいない』監督・脚本:エリア・スレイマン/出演:エリア・スレイマン、ガエル・ガルシア・ベルナルほか/2021年1月29日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。 ©2019 RECTANGLE PRODUCTIONS – PALLAS FILM – POSSIBLES MEDIA II – ZEYNO FILM – ZDF – TURKISH RADIO TELEVISION CORPORATION
ホンマタカシ(以下H)
ベーサメー、べーサメー、ムーチョー♪
BRUTUS(以下B)
どうしました?
へただったねえ。カフェのテラスにサックス吹きに来た人(笑)。ベーサメー、口づけしてー♪
和訳しなくていいですよ!
サントラでいうと、ニーナ・シモンの「l put a spell on YOU」がいいね。えっと、和訳しますと……。
訳さなくて大丈夫です。
スクリーミング・ジェイ・ホーキンスの歌。ガイコツがマント着てる。
映画はエリア・スレイマン監督(*1)が自身の新作映画の売り込みから始まり、ナザレ、パリニューヨークと新しい故郷を探す路を追っています。パレスチナ問題も扱いながらどこかコミカルな空気漂う映画でした。
真のストレンジャーって格好いいね。本人、キョトンとしてたけどね。ストレンジャーといえば、スティングだよね。「Englishman in New York」。
それはサントラに入っていません。
あのニューヨーク着いてからのタクシーのシーンは痺れたよ。ストレンジャー感が半端なくて。特に夜にニューヨーク着くと不安になるよね。
監督はどこまでも飄々とします。
でも、本当に、今度はいつニューヨークとかに行けるのかな? このまま一生、行けなかったりしてね。
こんなはいつできますかね……。
まあ、それもいいか。スレイマン監督なら、きっとそう言うよね。
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*1

1960年、ナザレ生まれ。96年に長編デビュー作『消えゆくものたちの年代記』でヴェネチア映画祭最優秀初長編作品賞を、2002年『D.I』でカンヌ国際映画審査員賞、国際映画評論家連盟賞を受賞。

本記事は雑誌BRUTUS930号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は930号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.930
世の中が変わるときに読む本。(2020.12.15発行)

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