【ローマとナポリの間で】Pizza da Vinci Tokyo/Pizzeria domo

グルマン温故知新

No. 928(2020.11.16発行)
物語る、日用品。

軽やかな薄焼きで勝負する、型にはまらぬピッツェリア。

料理もワインもこなすピッツァイオーロの個人店に、下町価格で大衆食を目指す有名店の新業態。どちらも生地は薄焼きもちっとで、軽やかだけど食べ応え満点。前菜に力を入れ「蕎麦前」ならぬ「ピッツァ前」も大充実。ピッツェリアは街のインフラです!

【Pizza da Vinci Tokyo ●白金台】1人丸ごと1枚食べても飽きない軽旨ピッツァ。

 都内のイタリアン、和食店を経て六本木〈ピッツェリア・バッジオ〉等の有名店で経験を積んだ、近藤学さん。開業前の火入れ期間中、粉の配合、塩やイースト、水の分量を試行錯誤。ようやく完成した理想の生地も保管庫の温度・湿度、外気温や水温までノートに書き留め、日々ブラッシュアップ。大変そうでも「そこがピッツァの面白いところ。どハマりした」らしい。

料理にピッツァにと奮闘努力するオーナーシェフの近藤学さん。

 木箱に並ぶ自慢の生地は、羽毛布団のようにふっくら。額縁のコルニチョーネを引き延ばすように広げながら、ひだを作ってはガスを逃さないテクニシャンぶり。火力を瞬間的に上げる杉のチップも併用し、窯内に打ち塩をするスタイルも新鮮だ。焼き上がったピッツァは「女性でも1人1枚は軽く食べられる」仕上がりで、焦げまで旨い。

 前菜は口溶けのいい極薄のプロシュートに、薬味を添えた鮮魚のカルパッチョは和食経験のある近藤さんならでは。真摯で誠実。その仕事ぶりが客を呼ぶ。

ダヴィンチ

プロシュートにマッシュルーム、モッツァレラ、4日かけて作る自家製のサルシッチャ、卵、ペコリーノの豪華フルラインナップ。フワッ、サクッ、モチッとした生地、サルシッチャの塩っけとマッシュルームの香り、卵のコクと黒コショウが相まってやめられない、止まらない人気のスペシャリテ。3,280円。

鮮魚のカルパッチョ

この日は山形県のプライドフィッシュ、庄内おばこサワラ。脂ののりが良く、皮目を炙ってオリーブオイルとからすみのトッピング。ミョウガを添え、スダチを搾って和風に味わう。期間限定のキャビア付き。1,180円。

ブラータチーズと生ハムの盛り合わせ

パルマ産プロシュートをイタリアの名門〈Berkel〉社の手動式スライサーでスライス。口に入れた瞬間、旨味を放ちながら消えるよう。とろりとクリーミーなブラータチーズと生ハムの塩っけで、ワインが進む。2,980円

ビルの地下に広がる、コンクリート打ち放しのインテリア。

【Pizzeria domo ●門前仲町】揚げ物もいける、下町の大衆ピッツェリア。

 仕掛け人は、中目黒や新橋で人気のイタリアン〈ラ ルーナロッサ〉代表の水谷仁さん。念願だった「繁華街ではない街で地域に密着したピッツェリアを」と、酒場の東都に実現した。

〈サルヴァトーレ・クオモ〉で腕を磨いたシェフの岡田貴徳さん。

 メニューはサラダやマリネ、自家製ハムなど前菜が15種類以上。それも400円からという値段設定で、早い、安い、旨い、の三拍子が揃う。キノコや豚タンなどスペシャリテの揚げ物に、和牛やもち豚のロースト。魚介は鮮度にこだわり、フレッシュを使用する。長野県〈大島農園〉の有機野菜、ポルチーニと、レストランクラスの素材もさらりと登場させる太っ腹ぶりだ。

本命のピッツァは額縁の薄いローマ風をベースに「底の焼き加減にこだわり、焼き上がりはクリスピーに」とは、シェフの岡田貴徳さん。辛口サラミを使った「ディアボラ」、4種のチーズ入り「クワトロフォルマッジ」だってアンダー2,000円! 本場志向のファストフードとして、下町の顔になる日も近い。

ピッツァ マルゲリータ

ガス窯で焼き上げるトマトソース&モッツァレラの定番ピッツァ。「窯に入れてからはいじりすぎず、底をしっかり焼くことでクリスピーな仕上がりを目指しています」と岡田さん。サクサクとした軽やかな食感で、トマトソースの程よい酸味とモッツァレラのコクでバランス良好。しかも破格! 1,300円。

前菜の盛り合わせ

写真左から、ハム入りポテトサラダ、大根とニンジンのマリネ ディル風味、自家発酵のキャベツの3種類。甘い、酸っぱいを取り揃えた前菜小皿は各種400円〜。野菜ずくめで、ワインとの相性もバッチリ。1,200円。

左上から時計回りに、バナナピーマン、豚肉、マイタケ、イカ墨の衣で揚げたイカ、ホウボウ。スパイス塩、エビ塩、レモンジャムなど10種類のソースやスパイスから3種選べる。1名分900円〜(写真は2名分1,800円)。

オープンキッチンのカウンター席にテーブル席も多数。
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Pizza da Vinci Tokyo/ピッツァ ダ ヴィンチ トーキョー

電話:03・6455・6950
営業時間:17時〜22時LO(土・日・祝12時〜14時LO、17時〜22時LO)。
酒:ビール820円、グラスワイン920円〜、ボトルワイン5,350円〜。
価格:本日のスープ650円、国産豚ひき肉のミートボール980円ほか。
席数:カウンター12席、テーブル5卓22席。

東京都港区白金台4−2−7 桜なみきビルB1。火曜休。交通:東京メトロ白金台駅2番出口から徒歩3分。2020年5月16日オープン。テーブルチャージ1人300円。テイクアウトもあり。カウンター席正面に据えた火が映える黒窯は、日本橋浜町〈山宮かまど工業所〉製。壁を厚めにした蓄熱性の高い特注品。ソムリエ資格を保有する近藤さん選りすぐりのワインは、イタリア産を中心に国産も。

Pizzeria domo/ピッツェリア ドーモ

電話:03・5809・9627
営業時間:11時30分〜14時LO、18時〜22時LO(土17時〜、日・祝〜21時LO)。
酒:生ビール650円、スパークリングワイン600円〜、グラスワイン600円〜。
価格:前菜400円〜、パスタ1,400円〜、ロースト魚・肉1,200円〜。
席数:カウンター5席、テーブル9卓20席。

東京都江東区富岡1−13−1。水曜休。交通:東京メトロ門前仲町駅1・5番出口から徒歩2分。2020年月9月29日オープン。グランドメニューのほか、日替わりも充実。本日のお魚はカルパッチョに〆サバの炙り、スモークサーモン、甘酢マリネ。フリットはグラタンコロッケといった変わり種も。ワインはイタリア産を中心に、高いものからお手頃まで常時70〜80種類。テイクアウトもあり。

photo/
Shin-ichi Yokoyama
文/
粂 真美子

本記事は雑誌BRUTUS928号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は928号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.928
物語る、日用品。(2020.11.16発行)

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