アート

La tireuse de cartes (1925)|マリア・ブランチャード

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 928(2020.11.16発行)
物語る、日用品。

『エリザベスタウン』(2005年、キャメロン・クロウ監督)という映画を見ていた時のこと。「男は物事を四角く見る。女は物事を丸く見る」というセリフが出てくるのですが、それを聞いてピカソの「泣く女」が頭に浮かんできました。きっと、「四角」という言葉が「キュビスム」につながったんだと思います。たくさんの立方体で構成された絵を見てアンリ・マティスが命名したといわれるキュビスムは、人物も静物も何もかもが幾何学的な形に変えられてしまうというちょっと不思議な絵画様式です。先のセリフは「男=論理的」「女=感情的」ということの暗喩だと思いますが、まあ、キュビストの中にはもちろん女性もいるんですね。スペイン生まれのマリア・ブランチャード(1881〜1932)という画家もぜーんぶ幾何学的にしてしまって、占い師がカードを操る場面を描いた上の絵では女たちがこぞってカクカクしています。どうでしょう、女性が“男性的な”四角い様式で描いたということについて、少し考えてみたいものです。

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文/
中村志保

本記事は雑誌BRUTUS928号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は928号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.928
物語る、日用品。(2020.11.16発行)

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