エンターテインメント

スターリンの国葬に、蛭子さんは映っていない。『国葬』

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 928(2020.11.16発行)
物語る、日用品。
『国葬』監督:セルゲイ・ロズニツァ/同監督が手がけるドキュメンタリー作品『粛清裁判』『アウステルリッツ』とともに12月11日まで、シアター・イメージフォーラムで上映中。全国順次公開。 ©︎ATOMS & VOID
ホンマタカシ(以下H)
スターリン死去 スターリン万歳! ってすごいよね。細かい病状を街頭マイクで国民に知らせる必要ある? と思ったりもして。ソ連には偉大な人だったんだね。その人の死、そして国葬だからね。
BRUTUS(以下B)
鋼鉄の人と呼ばれ、レーニンの後継として社会主義国家を目指したヨシフ・スターリン(*1)の国葬のドキュメンタリーです。
でも、やっぱりお葬式っていったら、蛭子能収さんだよね!
蛭子さん?
国民の父であるスターリンの葬式、みんな厳粛な雰囲気だよね、小雪なんて降ってきたりして……。でも、きっと蛭子さんなら笑っちゃってたと思うよ。お葬式で、みんなが真面目な顔していると笑っちゃうんだって言ってて。俺はわかるよ。
えっ⁉ 蛭子さんもヤバいですけど、わかるってホンマさんも相当……。
蛭子さんって根っから反体制だよね(苦笑)。たぶん、この記録映像でも話をしていたり、笑ったり、遠くでふざけたりしている若者もいると思うんだけど、当然カットされていると思うんだよ。特に社会主義だし。でも、多様性を認める今の時代だったら、ドキュメンタリーはそこをカットしちゃダメ。蛭子能収主義、蛭子能収的ドキュメンタリー感を大事にしないと。
蛭子さんにこだわる必要ありませんが言わんとすることはわかります。
蛭子能収主義の時代だよ。
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1878年生まれ(1953年没)。ソビエト連邦の第2代最高指導者。社会主義化を強行し、反対派は粛清と称して処刑・収容所に送るといった「スターリン体制」と呼ばれる独裁政治であまたの犠牲者を出した。

本記事は雑誌BRUTUS928号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は928号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.928
物語る、日用品。(2020.11.16発行)

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