アート

ニューヨークから直送! 架空のチーズショップが登場。

BRUTUSCOPE

No. 928(2020.11.16発行)
物語る、日用品。
展示会で並べられるチーズのオブジェは、購入することができる。
ニューヨークのアーティスト、Jason Rosenbergが、今回のために制作した ブロックプリントの版画も展示販売予定。

フードライターの松尾由貴さんがおくる、おいしい展覧会を東京で開催。

 ニューヨークのブルックリンで、食にまつわる出版物を発行するリトルプレス〈All-You-Can-Eat Press〉を主宰するフードライターの松尾由貴さん。ニューヨークのドーナツショップやハンバーガーショップなど、それぞれのジャンルのお店を地図と一緒に紹介するマップシリーズで人気を博している。その一方で、2005年から〈YUKI&DAUGHTERS〉として、手作りのフードオブジェクトを作り、架空のグローサリーショップとして作品を発表している。今回の展示は、〈YUKI&DAUGHTERS〉がおくる架空のチーズショップだ。いろんな種類のチーズがチルド室に見立てた展示スペースにずらりと並ぶ。チーズは松尾さんによるハンドメイドなので、形やサイズに多少ムラがあるのもご愛敬。チルド室に並んだホールチーズのスライスを、隣の〈homspun〉というショップで購入できる仕組みになっている。アーティストのJason Rosenbergも参加し、チーズの名前が書かれた新作を鑑賞することもできる。松尾さんのイメージするチーズショップを形にするのは、インテリアデザイン事務所〈スタジオドーナツ〉だ。

 ニューヨークは新型コロナウイルスの影響が大きく、いまだに思うように活動ができない日々が続いているという。8ヵ月にも及ぼうとしている長い自粛生活のなかでは、市内の飲食店の営業もままならず取材もなかなか叶わない。松尾さんの生活はガラリと変わり、友人とも気軽に会えない生活がまだまだ続いている。そんななか、展示のためのオブジェクト制作は、松尾さんにとって瞑想のようでもあり、日々の活力になったという。一点ずつ手作りされた目にも楽しいチーズは、賞味期限は永遠で、デイリーフリー。今回松尾さんは帰国できず在廊できないが、週末にはリモート接客で参加予定。また、12月4日・5日には、焼き菓子で人気の〈きのね堂〉によるチーズをテーマにしたクッキーボックスの限定販売も予定。ぜひ足を運んでみよう。

『"Striped Cheese Shop" by YUKI&DAUGHTERS, Jason Rosenberg』

11月26日〜12月8日、homspunのショップの横の展示ルームstrip room(東京都渋谷区富ヶ谷1−19−7☎03・5738・3310)で開催。11時〜19時。水曜休。

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まつお・ゆき

ニューヨーク在住のフードライター。ブルックリンを拠点に、食べられない食品を販売する架空のグローサリーショップ〈YUKI& DAUGHTERS〉を主宰している。

photo/
Yuki Matsuo
text/
Saki Miyahara

本記事は雑誌BRUTUS928号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は928号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.928
物語る、日用品。(2020.11.16発行)

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