エンターテインメント

10年以上ぶりにハマったKポップという甘味。

滝本誠のCAFÉ NOIR

No. 927(2020.11.02発行)
映画監督論。

 ライターの川勝正幸さんが少女時代推しということで、こちらがセレクトしたのは、デビューしたてのティアラだった。へそ出しルックに軽くゴシック・メイク。CD購入は新大久保のコリアン・ショップである。もう10年以上まえのことになる。

 ティアラの初期だけに集中して、以降のKポップ・ガールズ・グループを聴くことは今年の自粛要請までなかったが、ヤフーニュースの芸能欄を日々チェック、いやでもKポップがらみの情報が目に入る。そこで、グループ内イジメ問題でスキャンダルとなった7人組グループAOAの過去MVをYouTubeでさらってみると、これがすばらしい。特に「Like a CAT」は、宝石強奪のコリアン・ヴァージョンといってよく、制作にうらやましいぐらいに金とアイデアが注ぎ込まれていた。

 Kポップはいまや、キッズがつい口にするキャンディのようなワールドワイドの甘味だ。ラップの組み込み、ダンス、ダンス、ダンスのフォーマット(同工異曲、類型微差こそ安心、安定)の魅力であり、徹底的に色彩がポップである。

 続いて、いくつかグループをみていくうちに、なにか物騒な顔立ちのメンバーがいるグループが興味をひいた。彼女たちの日常をとらえた記録映像では、ガールズではなくもはやオバサンズの域のガハハ・ワールド。

 この4人組グループがMAMAMOOであり、率いるのはソラだ。空に輝くSolar(太陽)のソラだ。彼女はぶっ飛んでいる。なにしろ、2019年の日本公演のときにポール・ダンスを披露して度肝を抜いた。さらに、グループ最年少のファサは、エナメル・ショート・パンツからハミケツ状態で大胆ウオーク、カモン・エヴリボディ の歪み声の会場支配力は圧倒的だった。全員性格良し、器量良しのTWICE(サナの声の柔らかさにはうっとり)では確実に排除される声質である。

 ファサがソロでリリースした物騒作が「マリア」で、MVの右上に〈!〉(警告マーク)がでて〈15〉。視聴に年齢制限がかかってしまった。しかし、出たときは、すでにヤバい死体映像はスタートしていて意味はないw

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たきもと・まこと

東京藝術大学卒業後、編集者に。著書に『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』(幻戯書房)

本記事は雑誌BRUTUS927号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は927号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.927
映画監督論。(2020.11.02発行)

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