エンターテインメント

未完の問題作に隠された早熟の天才作家の光と影。『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 927(2020.11.02発行)
映画監督論。
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』監督・制作:イーブス・バーノー/出演:トルーマン・カポーティ、ケイト・ハリントンほか/11月6日、Bunkamuraル・シネマほかで全国順次公開。 ©2019, Hatch House Media Ltd.
ホンマタカシ(以下H)
アイアム、フリークスって……、大丈夫かな、コンプライアンス。さらにショーティ、頭でっかちゲイと、まあ、本人の言葉だからいいのかな。カポーティさん、コンプライアンスじゃなくて、コンプレックスの塊だったんだね(笑)。
BRUTUS(以下B)
わざと言い間違えましたね? トルーマン・カポーティ(*1)の未完に終わった問題作『叶えられた祈り』についてのドキュメンタリーです。スキャンダラスな内容のため、この本をきっかけに彼は転落していったといわれています。
「役者は馬鹿」「マーロン・ブランドはゾッとするくらい頭が悪い」とかテレビで言っちゃって……、意地悪でキレものだったんだなー。クセ者は、巨人のヘッドコーチの元木。隠し球ね。
……。なぜ、彼は多くの人を傷つけるような本を執筆することになったのか。多くの証言の中で彼の幼少期から死に至るまでの人生が浮き彫りになっていきます。監督はオバマ大統領の秘書もしていたという異色の監督です。
泣かせるのが、ジンジャーブレッドクッキーね。子供の頃の思い出。なんかすべてが浄化されるよね。
浄化され切れないぐらい、カポーティの嫌な部分が切り取られていましたけど……、大丈夫でした?
要所、要所に、ボサノヴァ流しとけば、なんとなくお洒落になるしね。
なんとなくって! (笑)
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1924年、ニューオーリンズ生まれ。1984年没。著書『ティファニーで朝食を』『冷血』など、数多くの名作を生み出し、天才作家として世界的に注目された。20世紀を代表する作家の一人。

本記事は雑誌BRUTUS927号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は927号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.927
映画監督論。(2020.11.02発行)

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