日本最古の神社でいただく方位除けの卯。
日本最古の神社といわれる奈良県桜井市にある大神神社。『古事記』によれば、大物主大神が出雲の大国主神の前に現れ、国造りを成就させるために「吾をば倭の青垣、東の山の上にいつきまつれ」と、三輪山に祀られることを望んだと伝えられています。『日本書紀』にも同様の記述が残っており、このように記紀の神話に、明確にその由来が残っている神社はとても珍しく、いかにこの大神神社が古くから始まったかを物語っています。また、現在の神社の社殿の標準的な様式が成立する以前からの、原初の様式を伝えており、本殿を設けず、三輪山全体を御神体として祈りを捧げるための拝殿があります。このことから、「日本最古の神社」と呼ばれています。
そんな大神神社は、例祭の大神祭が崇神天皇8年の卯の日に始まったことから、卯との神縁も深く、卯の縁起物が多く授与されています。写真上は方除卯杖守と呼ばれる、方位除けのお守りです。卯杖とは、平安時代より、宮中で国家安泰を願って献じられた邪気除けの杖です。卯は東を指すことから部屋の東や玄関に掲げ、邪気を払います。
- edit/
- Shogo Kawabata
本記事は雑誌BRUTUS926号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は926号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。