エンターテインメント

当たり前が当たり前じゃない。怒りの矛先はどこに?『82年生まれ、キム・ジヨン』

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 925(2020.10.01発行)
いつでも! おいしい酒場。
『82年生まれ、キム・ジヨン』監督:キム・ドヨン/原作:『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳、筑摩書房/出演:チェン・ユミほか/10月9日、新宿ピカデリーほかで全国公開。 ©2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
ホンマタカシ(以下H)
こんにちわー、フェミおじさんのホンマです。
BRUTUS(以下B)
怒られますよ。
H
韓国の儒教に基づく、日本よりもすごい男性社会に対して、奮闘するキム・ジヨンさん。82年生まれで、一番多い名前なんだってね。だから、これは映画の中の主人公だけの話じゃないんだよね。その時代の女性みんなの話になってるところが素晴らしいよね。
原作(*1)は日本でも話題。
主人公だけじゃなく、姉も母も、女性の立場の向上のために頑張る。ただ平等を求めてるだけなんだけどね。原作も読んだけど、小説の構造として素晴らしい。精神科医のカルテで第三者目線で書かれている。女性の観点で韓国の社会状況を感じることができて、映画だと主人公が憑依してしまう部分とか、あの人特有の物語になってる。どっちがいいというわけではなく、小説の方が大衆に開かれていて、多くの女性の共感を呼んでいる気がするね。
原作と見比べるのは作品の本質を知るうえでも面白いかもしれませんね。
なんか面倒くせえなって思う既得権益側の男性も多いだろうけど、日本の医大が、男子の入試の点数だけ上げたりとかあって、今でもどこかではやってそうだけど……おかしいよね、ジヨンさんもフェミおじさんも怒るよ あと、フェミニズムの敵はもちろん男性なんだけど、実は、男に取り入ったり、操ったりしてる女性がフェミを馬鹿にしてたり、複雑で難しい問題だよ。
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*1

チョ・ナムジュ著。2016年刊行。韓国国内だけで130万部を売り上げる大ベストセラーに。また日本では18年12月に刊行され、約1ヵ月で5万部を突破。韓国文学として異例の反響を呼んだ。

本記事は雑誌BRUTUS925号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は925号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.925
いつでも! おいしい酒場。(2020.10.01発行)

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