日々、拡張し続けていく幅広い品揃えに刮目せよ。
ジュエリーやレザーアイテムのイメージが強いクロムハーツだが、実は家具や生活雑貨などの展開も充実している。それらのアイテムが別格に幅広く見られるのが、ここクロムハーツ トーキョー。ライフスタイルフロアである店舗2階に上がると、ブランドの真髄に触れられる。そこにはステーショナリーやキッチンツールから、ソファにブックシェルフまで、生活にまつわる様々が揃う。創業者のリチャード・スタークは、建設関係の仕事を経て、自らがバイクに乗る時に身に着けるレザーウェアを製作したのがブランドの始まり。もの作りの幅広さにも納得できる。ベッドなどの大型家具類もオーダー可能というから、さすがのクラフトマンシップである。また最近だと、ジム、フィットネスアイテムもリリースされた。サンドバッグに目を向けると天板にまでもCHプラスモチーフ(ブランドを象徴するデザインの一つ)があしらわれている。ブランドがスタートしてから、今もなお創作意欲は健在だ。
隠れクロムハーツを発掘し真のもの作りに出会う。
あらゆるものがクロムハーツのプロダクトに落とし込まれている、だけではなく、店の内装までとにかく徹底されている。クロムハーツ トーキョーもアメリカ本国から職人が来日し作られたというだけに、店内の随所にブランドのクラフトマンシップが感じられるのだ。まず、店の門をくぐり中庭のバスケットコートに目を向けると、なんとシルバーのクロスボールが連なるゴールネットが登場する。店の外からも存在感が漂うラグジュアリーなシャンデリアはバカラ社の特注品で、さらに目線を上げてみるとそれを吊す天板までもクロムハーツ仕様。階段の石材のサイドには、精緻なデザインでブランドアイコンの一つであるクロスモチーフがあしらわれている。抜かりは一切ない。エレベーター前の床に大判のシルバー×エボニーのCHプラスモチーフが施されていたりもして、目線を下げても面白い。無論、見栄えのする大きな部分だけではない。ジュエリーケースなどの蝶番や鍵蓋のパーツ、洋服を吊したハンガーにまでシルバーが使われているのだ。ちなみに、什器から店内の細部にまでエボニー素材が使われている。至るところにある“隠れクロムハーツ”を探して店内を巡ると、シルバーもより輝いて見える。
- photo/
- Keisuke Fukamizu
- text/
- Naoto Matsumura
本記事は雑誌BRUTUS924号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は924号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。