【ビールな酒場】ヤオロズクラフト/高丸電氣

グルマン温故知新

No. 924(2020.09.15発行)
必要な服だけを。

残暑を爽快に吹き飛ばすキャラ立ちビール酒場。

新潟県のブリュワリーのフルラインナップを揃えるクラフトビール酒場と、国産大手メーカーのビールをあれこれ楽しめるユニークな居酒屋。ビールが進む技アリつまみも豊富で、共に昼からオープン。まだまだ暑い9月、冷えた一杯に喉を鳴らす幸せがここに!

【ヤオロズクラフト ●五反田】名水仕込みのビールを、地鶏、鮮魚のつまみと。

料理長の漆原健亮さんも大のビール好き。

 清酒「八海山」の〈八海醸造〉が手がけるクラフトビールブランド〈ライディーンビール〉を、常時4種以上提供。フルラインナップがタップで揃うのは、新潟県南魚沼市にある醸造所とここだけ。ビール好きを刺激する店ながら、昼は定食あり、アラカルトのつまみも豊富で、スタンド感覚でさくっと一杯からがっつり居酒屋使いまでご自由に、という勝手の良さだ。

「ライディーン」の名は、ビールの仕込みに使う地元の名水「雷電様の清水」から。自然が育む良質な素材ありきの姿勢は、店の味作りも同じ。鹿児島や宮崎の契約生産者から届く地鶏やその日の朝に水揚げされた鮮魚を、ビールが進むシンプルな一品に。一部メニューには、合わせて味わいたいビールの提案もあり、ビールペアリングのカジュアルな入門編としても好適。奈良漬けを使ったポテサラに、燻香を効かせたメンチカツと、定番つまみもひとひねり。つい杯を重ねてしまう。

地鶏のパリパリジューシーチキン

鹿児島県の契約農家が育てる黒さつま鶏を使用。昆布ベースのだしに漬けて、下味をつけながら水分バランスを整え、プリプリの食感に仕上げる。絶妙な火入れ加減で、皮目のパリッとした香ばしさも格別。スパイシーでアロマティックなピルスナーやIPA(インディアペールエール)と相性抜群。950円。

かつおのレアかつ

鮮度抜群、刺し身でも食べられるカツオをカツレツに。衣はサクサク、レアな火入れのカツオはねっとり食感で旨味がぎゅっと凝縮されている。ソースでも醤油でも。シルキーな舌触りでコクのあるアルトタイプと。690円。

さばたくサンド

締めサバの酸味と薄切りにしたたくあんの食感が楽しいおつまみサンド。辛子マヨネーズと大葉の香味もアクセントに。ヴァイツェンのフルーティかつまろやかな味わいが、しっとりとした締めサバにマッチする。490円。

タップが並ぶカウンター中心の1階。2階はテーブル席が並ぶゆったりとした空間。

【高丸電氣 ●渋谷】選べるビールとカスタムつまみで厨房飲み。

店長の渡辺慎一郎さんを筆頭に、若いスタッフが店を盛り上げる。

 モダンガストロノミーのシェフズテーブルのようでもあり、アジアの小食堂の厨房脇のようでもある。ステンレスの調理台に連なるカウンター席は、湯気を上げる寸胴鍋も、調理中の食材が香り立つ鉄板もすぐ目の前。ライブ感を超えた一体感と混沌がムンムンの熱気をたぎらせる。 レモンサワーブームの火つけ役、恵比寿〈晩酌屋おじんじょ〉の2号店。店主の高丸聖次さん、「気取らず構えず、日本の晩酌文化をお酌、手酌の良さとともに伝えたい」と、クラフトビール全盛の時代に国産大手メーカーの小瓶を11種揃えるという奇策に出た。大型冷蔵庫から好きなものをセルフで取って、グラスも、栓抜きもお好みで。選べる楽しさは、つまみもしかり。アテになる焼麺、だしで食べる汁餃子、鉄板で焼くふわとろ焼き玉子の三大名物は、トッピングや薬味、ソースでカスタマイズも自在だ。この手があった、と膝を打ちたくなるアイデア満載で、酒場の新時代を切り拓く。

焼麺

〈浅草開化楼〉の麺を蒸してから乾燥させ、鉄板で炒りつけるように焼いて、オイスターソースベースのオリジナルブレンドソースと花椒で仕上げた一品。締めではなく、飲みながら食べたいおつまみ麺。豚バラ、パクチー、どっさり青のり、チーズなど、そそるトッピングも豊富。600円(トッピング200円~)。

生たこ一口セビーチェ

青唐辛子入り根菜のピクルスと水だこ、とびこを、スプーンで一口で。ライムとビネガーの酸味がきゅっと効いたさっぱり味。イノベーティブレストランのアミューズさながらの洒落た盛り付けにもニヤリ。300円。

焼き玉子

鉄板で焼くふわふわの卵焼き。600円。ソースを2種から選べ、お好みでトッピングをオン。写真は、黒酢オイスターソースに花ニラをトッピング(+300円)。ビールにサワー、焼酎、紹興酒にも合う万能つまみ。

キンキンに冷えたビールがずらり。厨房の中で飲む感覚。
カテゴリの記事をもっと読む

ヤオロズクラフト

電話:03・6420・0739
営業時間:11時30分~14時LO、17時~24時(土・日・祝12時~22時)。
酒:クラフトビール(グラス)600円~、ハイボール4種460円~。
価格:小皿一品、揚げ物、麦友、箸休めなど約40種350円〜。
席数:カウンター22席、テーブル23卓48席。立ち飲みあり。

東京都品川区西五反田1−4−8 1・2F。無休。JRほか五反田駅西口から徒歩2分。2020年7月10日オープン。ビールは定番のヴァイツェン、ピルスナー、アルト、IPAの4種に季節限定品が加わることも。八海山の米焼酎で作る「吟醸香るハイボール」や山椒を効かせたレモンサワーなど、ビール以外のドリンクメニューも充実。460円~。昼は「ヤオロズ名物いろいろ小鉢定食」など定食が900円~。

高丸電氣

電話:090・3502・9747
営業時間:11時45分~23時LO(ランチ15時30分LO)。
酒:瓶ビール(小瓶)500円~、レモン酎ハイ500円~ほか。
価格:小皿つまみから珍味、デザートまで約40種300円~。昼定食1,000円。
席数:カウンター32席、立ち飲みあり。

東京都渋谷区東1−25−5 フィルパーク渋谷東2F。日曜休(翌月曜が祝日の場合は営業、翌月曜休)。JRほか渋谷駅新南口から徒歩7分。2020年7月2日オープン。〈晩酌屋おじんじょ〉で人気の広島県瀬戸田産減農薬ノンワックスレモン使用のレモン酎ハイ8種をオンメニュー。鹿児島〈塩田酒造〉の芋焼酎「六代目百合」は前割りをオリジナルボトルで。瓶ビールなどはセルフサービスだと割安。

photo/
Naoki Tani
文/
佐々木ケイ

本記事は雑誌BRUTUS924号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は924号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.924
必要な服だけを。(2020.09.15発行)

関連記事