エンターテインメント

音楽への愛があふれています。『Welcome My Friend』OKAMOTO'S

西寺郷太のポップ警察〜名曲・珍曲・捜査録〜

No. 924(2020.09.15発行)
必要な服だけを。
19歳でデビューした彼らも11年目。新たなるステージへの第一歩となる6曲入りEPはネクストレベル。いよいよ30代に突入する彼らの今後が楽しみ。

バンドの「楽しさ」を伝え続けるOKAMOTO'S。

 音楽家同士が集まったり、パーティやフェス、ライブ会場などで会う機会が減った2020年。そんな中で僕が急速にコミュニケーションを深めているのがOKAMOTO'Sのギタリストでソングライターのオカモトコウキ君です。

 もともとは、昨年プロデュースして以来僕を慕ってくれてソングライティング・チームとなったSANABAGUN.のベーシスト大林亮三がつないでくれた仲。亮三とコウキ君は同じ1990年生まれで、僕の17歳下(!)。Spotify公式で僕がパーソナリティを務める番組『GOTOWN Podcast』(毎週更新)にも先日2人で来てくれて、「STAY HOME」期間中にオンラインでやりとりしながら十数曲の新曲を作った話をしてくれました。その「タフさ」が僕は頼もしくて。

 今後、ライブやフェスが昨年までの状況に戻るのに半年かかるのか、それ以上か……。もしかすると相当長い間「バンド活動」は通常に戻らず制限されたままかもしれません。ただ僕は、危機的状況の中でも楽しみを見つけながら、サバイブしていくミュージシャンでいたいと思っていますし、突破口を見つけた人の音楽こそ聴いてみたいと思っています。

 そんな中、10代の若さでデビューし武道館にまでたどり着いたOKAMOTO'Sは、その世代の中でもいち早くさまざまな景色を見てきたからこそ、新たなアイデアを具現化できる存在になったんじゃないかと。

 10周年の『10'S BEST』、8月26日リリースのEP『Welcome My Friend』だけでなく、8月7日に公開された菅田将暉×OKAMOTO'SのTOYOTA カローラツーリングCMソング「Keep On Running」のシンプルなメロディと言葉選びには感動しました。オカモトショウ、オカモトコウキによる共作曲で、これまでの10年、さまざまなトライ&エラーを繰り返した中で生み出されたであろう「30代」にしか作れないポジティブで力強い楽曲だなと。OKAMOTO'Sの素晴らしさは、自分たちの作品だけでなく、音楽そのものや楽器演奏も含めての「楽しさ」を伝え続けていること。今しばらくはコロナ渦で劣勢ではあるけれど、集まって音を鳴らす「バンド活動」そのものも必ず復権するはず!

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にしでら・ごうた

音楽家。ソロアルバム『Funkvision』発売中。自伝的小説『'90s ナインティーズ』も文藝春秋digitalで連載中。

文・題字/
西寺郷太
編集/
辛島いづみ

本記事は雑誌BRUTUS924号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は924号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.924
必要な服だけを。(2020.09.15発行)

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