エンターテインメント

映画は映画。現実とリアリズム。『マティアス&マキシム』

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 924(2020.09.15発行)
必要な服だけを。
『マティアス&マキシム』監督・脚本・編集・衣装:グザヴィエ・ドラン/出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドランほか/9月25日、新宿ピカデリーほかで全国順次公開。 ©2019 9375-5809 QUÉBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL
BRUTUS(以下B)
グザヴィエ・ドラン(*1)の新作は?
ホンマタカシ(以下H)
印象派的であり、表現主義であるんだよなあ。
映画内で、友達の妹のエリカが映画を撮る時に言う台詞ですね。
最近は立て続けに日本映画を観てるけど、なんでリアリズムに湿気っているのかなー? って考えてて。この作品も自伝的なエピソード映画で集団の会話はドキュメンタリー的だよね。でもどこか抜け感があるというか……。映画映画だよ。でも、映画の中のリアリズムがあって、現実とは違うよ。だから、どれだけ遊んだっていいんだ! それこそが映画なんだよ! ってドランが言ってる気がするんだよね。
リアリズムの捉え方ですね。
ドランの映画を観ていると表現の快感や快楽を感じるよね。それはゴダールもそうなんだけど、決して現実のありのままに近づけようとしてないというか。もちろん小津やカウリスマキの映画もそうなんだけどね。
今回は地元ケベックでの撮影で仲間役に本当の友人を登場させたり、とても自由を感じます。
今回、特に音楽も洗練されてたね、ピアノと無駄話。こんなに無駄話をお洒落に撮った人いるかな(笑)。
言い方は変ですが、その通りです(笑)。
そして、お洒落なだけじゃなく、やっぱり映画って何なの? って考えさせられるよね、ドランドランは(笑)。
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*1

1989年生まれ。俳優、映画監督。デビュー以降『たかが世界の終わり』(2016年)、『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』(19年)などにより国際的な映画祭で数多くの賞を受賞し、注目を集め続けている。

本記事は雑誌BRUTUS924号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は924号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.924
必要な服だけを。(2020.09.15発行)

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