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不意に自分と重なる父娘映画を。|田島列島 → 佐久間宣行

佐久間宣行のカルチャー交歓!

No. 924(2020.09.15発行)
必要な服だけを。
田島列島

 初めまして、田島列島です。前回教えてもらった映画『マリッジ・ストーリー』、すごく良かったです。すれ違いから妻に「死ね!」と叫んでしまい崩れ落ちる夫と、死ねと言った夫を慰める妻。人は言葉を操っているようで言葉に操られている。でも人を救うのもまた言葉だと思わせるラストが、心に残りました。お返しに、ラジオでよく「コロナが収まらないと娘が俺と旅行してくれる時期が終わってしまう!」と嘆いている佐久間さんには、映画『ありがとう、トニ・エルドマン』を。都会で働く娘が幸せそうでないことを案じた年老いた父が、別人になりすまして破天荒なギャグやイタズラを仕掛け、彼女の心を強引に解きほぐします。娘目線で観ざるを得ない私は、自分はやっぱり故郷と家族を捨てたんじゃないかと思わされて辛くもなるんですが、なぜかまた観たくなる不思議な作品です。父親目線だといかがですか?

『ありがとう、トニ・エルドマン』

正反対の性格を持つ父娘の心の交流をユーモラスに描く。第89回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。監督・脚本:マーレン・アーデ/出演:ペーター・ジモニシェック、ザンドラ・ヒュラーほか/ハピネット/3,900円(DVD)。

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たじま・れっとう

漫画家2014年に『子供はわかってあげない』で長編デビュー。『水は海に向かって流れる』の完結編となる3巻は9月9日に発売。

佐久間宣行
さくま・のぶゆき/1975年福島県生まれ。テレビ東京プロデューサーとして『ゴッドタン』等を担当。『オールナイトニッポン0(ZERO)』に出演中。

編集・文/
福島絵美

本記事は雑誌BRUTUS924号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は924号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.924
必要な服だけを。(2020.09.15発行)

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