ファッション

”カッコイイ”の基準が変わるでしょうね。丨MIYAVI●ミュージシャン

No. 924(2020.09.15発行)
必要な服だけを。

「世界全体が大きく変わろうとしているなかで、自分たちはどうあるべきなのかを考えさせられる機会が本当に増えました。僕自身も、一人の音楽家として、父として、すごく考えるようになりました。時代の変革のなかで、まだ正解はわからないけど、我が子に胸を張れる生き方や行動をしていきたい。それは、音楽活動や家族との関わり方、またファッションに対しても同じ。New Normalの在り方は、僕自身もまだ模索しているところではあるけれど、難民支援活動に関しては、アンジェリーナ・ジョリーさんとの出会いが、新しい価値観を与えてくれました。難民支援に長く取り組んでいる彼女の国連でのスピーチは本当に素晴らしかったし、これからの行動のお手本として常に注目し続けています。ほかにも、環境保護に取り組むレオナルド・ディカプリオなど、影響力のある表現者たちが積極的に新時代へ向けて持続可能な地球づくりをどう実現できるかアプローチし始めている。それと同時に、企業のリテラシーもどんどん高まっていますよね。ファッションでは、グッチ。アメリカに住んでいると、ブリンブリンのラッパーが愛用するブランドという表層的なイメージが個人的には強かったけど、今年6月に発表された『Gucci Off the Grid』のキャンペーンに関わって、難民支援やジェンダーの問題、環境保護活動など、ブランドとしての彼らの取り組みの多くを知ることができました。新しい時代に向けて新たな価値を創造することは、すべての分野に求められていることではないでしょうか。ある種、ファッションや音楽は、新時代を映す装置のような役割を担っていると思うんです。だから、これからどう変わっていくかの注目度は高いし、責任もあると感じています。。僕自身も、2015年頃から、難民支援の取り組みを始めていますが、現地へ足を運ぶと、正直、ギター一つでは何もできない自分の無力さを感じることもありました。ただ、その行動を通して、Essential(本質的)という言葉を意識する大きなきっかけになりました。自己の責任が問われる時代のなかで、我々はこれから地球の一員としてどう生きていくか、一人一人に突きつけられていると思います。新時代に向けて一人一人がトランスフォームできれば、このコロナ禍での痛みが意味のあるものと感じられるはず。今は、そう思う以外にない。人はモノを生み続けて、稼いでナンボという時代から、新たな成功の指標を示すときが、今、来ている。だからこそ、間違いなく、“カッコイイ”の基準が変わるでしょうね。むしろ、そうでなくてはいけない。そう強く感じています」

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みやび

1981年生まれ。2002年よりソロ活動。14年、映画『不屈の男 アンブロークン』で俳優デビュー。17年からUNHCR親善大使を務める。今年発表された「GUCCI Off the Grid」では広告ビジュアルに起用され、活躍の場をますます広げる

photo / Masaru Tatsuki text / Keiichiro Miyata

本記事は雑誌BRUTUS924号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は924号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.924
必要な服だけを。(2020.09.15発行)

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