改めて、日本の美しさを体感!

From Editors

No. 923(2020.09.01発行)
新・ニッポン観光
何を食べるか、は旅先での大命題。吉野や天川でも、地元の人に長年愛されている店がたくさんあったのですが、なかでも〈こばし〉の焼き餅があまりにもおいしすぎて、翌日も予約したほど。写真は季節限定のみたらし団子。もっちもち! 今回、時間の都合で取材できなかったのですが、取材最終日の夜にはクラフトビールのブリュワリーもプレオープンし、移住者たちが新たな試みをどんどんしているようで、これから食も充実していきそうな予感。

普段、日本での旅先として選ぶのは、沖縄や離島、器の窯がある土地、アートを巡る場所がメイン。海辺ではない自然の風景に身をゆだねるような旅をあまりしたことがありませんでした。今回、取材で訪れた先、奈良の陸の孤島・吉野と天川では、夕暮れの撮影を1時間かけて行いました。海に沈む夕日を撮影するときは、大体30分くらいで沈みゆく瞬間を撮影することが多いのですが、山あいにゆっくり落ちていく太陽は、雲の様子、それぞれの山の色が刻一刻と変化していき、町に明かりが灯り出すと、雰囲気がガラリと変化。気づけば満月がぽっかりと浮かんでいて、風流なひとときを過ごすことができました。また、夜に雨が降った後、道路から白い湯気のようなものが吹き上がっていたので、不思議に思い、地元在住のスタッフに聞いたところ、「雲の原型で、明日の朝はきっと綺麗な雲海が見れると思う」とのこと。翌朝、山には雲海のように雲がかかっていて、万葉集の時代から、吉野で和歌が詠まれる理由がわかった気がしました。もともと、先人たちは旅に出たら、和歌や俳句などによって記録を残してきました。移り変わる美しい景色や色をことばだけで表現することで、日本人の豊かな感性が築かれてきたことを改めて感じた取材でした。
このご時世、実は遠くまで行かずとも、日本中どこにでも美しい風景が待っています。そのヒントになる場所をぜひ誌面で探してみてください。

カテゴリの記事をもっと読む
本誌担当編集/
川端寿子

本記事は雑誌BRUTUS923号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は923号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.923
新・ニッポン観光(2020.09.01発行)

関連記事