アート

【〜9月27日まで開催中】『おさなごころを、きみに』展で、#のらもじ を発見。

BRUTUSCOPE

No. 923(2020.09.01発行)
新・ニッポン観光
《のらもじ発見プロジェクト》2020年。展示風景と、様々なフォントとその元ネタである看板がある各店舗とのエピソードを記したパネル。
《のらもじ発見プロジェクト》2020年。展示風景と、様々なフォントとその元ネタである看板がある各店舗とのエピソードを記したパネル。
Noritakeのイラストによるメインビジュアルと、名和晃平《PixCell-Bambi #10》2014年。

”野良”文字をフォント化する「のらもじ発見プロジェクト」とは。

 子どもにも大人にも見える人物が、こちらを見つめている。東京都現代美術館で開催中の『おさなごころを、きみに』展のメインビジュアルだ。大人になるにつれて忘れてしまった想像力溢れるおさなごころを、メディアテクノロジーによる作品を通して思い起こしてみよう、という本展。

 会場ではレトロ感漂う看板たちが出迎えてくれる。この作品は、アートディレクターの下浜臨太郎さん、グラフィックデザイナーの若岡伸也さん、デザイナー兼プログラマーの西村斉輝さんによる「のらもじ発見プロジェクト」だ。根っからの”看板好き”という若岡さんが発起人となり、「看板の持ち主であるお店の人と交流し、50音のフォントを作成し、人々が文字に関係できる枠組みを作りたい」とスタートした。

「手書き文字の看板の背景に想像を膨らませてみると楽しいですね。デザイン的な視点や古道具を愛でる目線で見ることもでき、考現学的なアプローチもできる。そういった奥深いオブジェが、身の回りになにげなく存在しているのが面白い」と若岡さん。

 そんな”野良”な魅力を持つ手書きの文字をフォント化し、汎用性のあるフォントデータとしてネット上で配布する。さらに、利用者から募った寄付金の一部を看板の持ち主に還元するという循環型のシステムだ。

「文字の提供者であるお店の人へのインタビューをフォントデータとともに公開しています。のらもじに注目してもらうことでお店の存続にも繋がると嬉しい」と西村さん。そして、「皆さんも気軽に #noramoji #のらもじ のハッシュタグを付けて看板の文字をシェアしてみてください」と下浜さんが言うように、子どもの頃の遊びの感覚で、誰もが参加者になれるのも楽しい。

『おさなごころを、きみに』

出品作家に、吉岡徳仁、幸村真佐男、AR三兄弟、ジュスティーヌ・エマール、藤木淳など。〜9月27日、東京都現代美術館(東京都江東区三好4−1−1☎03・5777・8600*ハローダイヤル)で開催。10時〜18時(展示室入場は〜17時30分)。月曜休(9月21日は開館、23日閉館)。入館料一般1,300円。https://www.mot-art-museum.jp

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『のらもじ発見プロジェクト』
若岡伸也(左)、西村斉輝(中)、下浜臨太郎によって2012年始動。町中にある看板の手書き文字「のらもじ」をフォント化し、汎用性のあるフォントデータとして配布するプロジェクト。http://noramoji.jp

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Shiho Nakamura

本記事は雑誌BRUTUS923号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は923号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.923
新・ニッポン観光(2020.09.01発行)

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