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【話題の漫画】漫画家・大橋裕之の最新作『ニューオリンピック』が発売。

BRUTUSCOPE

No. 922(2020.08.17発行)
お金、ちゃんと使えてる?

スポーツに興味がない漫画家が描くスポーツ漫画。

「あの人そっくりなキャラクターも多数登場。」誰もが知っている有名人のそっくりさんが何人も登場。イベントで似顔絵屋さんを出店する大橋さんが描く似顔絵は、的確に特徴を捉えている。でも実在の人物とは全く関係ありません。

 本来ならば、2020年のこの時期は東京オリンピックが開催された後の余韻に包まれ、テレビでは毎日アスリートのインタビューが放送されていただろう。そしてこれから始まるパラリンピックを楽しみにしていた人も多かったはずだ。しかし新型コロナウイルスの影響で、予想もしていなかったオリンピック延期が決定。来年のスケジュールは既に出ているものの、開催の可否はいまだ誰にもわからない。そんな時、漫画家・大橋裕之さんが放つ最新作『ニューオリンピック』が発売された。大橋さんは、今年公開されたアニメ映画『音楽』(岩井澤健治監督)や来年公開予定の映画『ゾッキ』(竹中直人、山田孝之、齊藤工監督)の原作を手がけた人気漫画家。『ニューオリンピック』は、サッカー雑誌『季刊フットボール批評』(カンゼン)に連載していたものをまとめ、新たに2編の描き下ろしを加えて単行本化された作品。大橋さんは、「サッカーも野球も全く観ません。サッカー選手の名前もほとんど知りませんでした。オリンピックもさほど興味がないんです」と正直に話してくれた。そんな彼が描くオリンピックは、努力と感動のスポ根漫画では決してない。新しい競技「忍者サッカー」を開発して、オリンピックの新競技として採用してもらおうと奮闘する人や、有名スポーツ選手を彷彿とさせるキャラクターが多数登場。しかも興味深いことに、作中ではオリンピックの中止が決まった後の世界が描かれているのだ。

「本当はオリンピックが始まるぞという時期に、ほかの関連書籍と合わせて展開してもらえるように出版するはずだったのですが……。でもあえてこの時期に読んでもらえたら嬉しいです」

 そう語る大橋さん。思わず笑ってしまう滑稽な描写だけではなく、ほのかに心が温かくなる大橋裕之節が炸裂。オリンピックのない夏は、この漫画を読んで過ごすのもいいかもしれない。

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『ニューオリンピック』
スポーツの祭典・オリンピック。その背景にはさまざまなストーリーがあった。月を目指すホンダ、2052年に金メダルを目指すヤワラさまなど、笑いあり涙ありのストーリーが13編収録されている。巻末には、お笑い芸人の山里亮太さんとの対談も収録。カンゼン/1,300円。

大橋裕之
おおはし・ひろゆき/1980年愛知県生まれ。漫画家2005年自費出版漫画をリリースし、本格的に活動開始。現在、リイド社のトーチWebで『太郎は水になりたかった』を連載中。

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Saki Miyahara

本記事は雑誌BRUTUS922号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は922号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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