【ツマミの効くバー】Cidernaut/The Bellwood

グルマン温故知新

No. 920(2020.07.15発行)
最高の朝食を。

奥渋谷で、いい酒と旨い肴を。

名人によるオリジナルカクテルを一日中楽しめる店と、「クラフトビールの次はこれ」と目されているリンゴのお酒「サイダー」に特化した店が奥渋谷にオープン。そのうえいずれも、オリジナリティのある料理も自慢なのだから、大いに食べて飲むべし。

【Cidernaut ●神泉】爽やかなサイダーと幅広いバーフード。

「サイダー」と聞くとノンアルコールの清涼飲料を思い浮かべがちだが、さにあらず。“シードル”(仏語)でお馴染みのリンゴの果汁を酵母と合わせて発酵させた果実酒の英語名だ。ここでは、欧米で注目されるクラフトサイダーを取り揃える。

「サイダーはこれからもっと人気になるはず!」と武田さん。

 リンゴの果汁がベースであれば、ほかのフルーツを加えたりホップを漬け込んでもOKと自由度の高いサイダーに合わせて、イギリスで出会ったシェフの和田将玄さんが腕を振るう料理も、ベーグル、ブラジル料理の「コシーニャ」、タンドリーチキンetc.、一緒に食べておいしいものを、ジャンルにこだわらずあれこれと。口当たりのいいサイダーが、より一層進む布陣だ。

自家製ベーグルに、じっくり煮込んでから豚肉をほぐしたプルドポークと自慢のアップルソースを挟んで。800円。サイダーは、ホップを漬け込み柑橘を加えることで、苦味と酸味とを楽しめるハードサイダー「ロスト トロピック」1,380円(サイダーはすべてミディアムサイズの価格)。

リンゴのお酒のつまみとして、フレッシュなリンゴを使った一品を。仕上げにかける黒コショウが味を引き締める。950円。サイダーは、ルバーブの色合いが美しくさっぱりとした甘味のある「ロージーズピッグ」1,280円。

ほぐした鶏肉をキャッサバ入りの生地で包んで揚げたブラジル風コロッケにゆで卵を添えて。シェフ特製のソース、サルサと一緒に。940円。サイダーは、熟したリンゴの香りや味わいに満ちた「スロウンハット」1,140円。

店はいわゆる“奥渋”のバス通りに面していて、開放的な造り。

【The Bellwood ●神泉】カクテルも料理も、朝から夜まで。

 店のコンセプトは、「特殊喫茶」(カフェー)。明治末期から大正時代にかけて流行した業態だ。バーテンダーがホテルや港町だけでなく街場で店を開くようになり、西洋の文化が徐々に一般的に。そんな時代の移り変わりの中で、ハイカラな人たちが料理と酒を楽しむ社交場として親しまれていたという。

 店主の鈴木敦さんは〈The SG Club〉グループのバーテンダーとして上海で活躍。カクテルの世界大会で優勝した経歴の持ち主だが「お酒だけではなく、しっかりとした料理や吟味したコーヒーも終日提供する間口の広い店を」と開店した。

ニューヨーク、ロンドン、トロント、上海でバーテンダーとして活躍した鈴木さん。

 フードは渋谷のイタリアン〈Konel〉の菊池隆樹さんが監修。サンドイッチやナポリタンといった喫茶店らしさを感じさせるメニューに、トリュフの香りを添えたりイカスミで仕上げるなどアクセントをプラス。そして、自慢のカクテルも味噌、きな粉など意表を突く素材を忍ばせて。料理も酒も、好奇心をそそる。

自家製バルサミコマヨネーズと混ぜ合わせてとろりと仕上げたゆで卵を、ふわふわの食パンを使ってポケットサンドに。900円。カクテルは、スプモーニをアレンジした「超もおに」1,300円。イエローカンパリをベースに、オレンジと水出しコーヒーを加え、仕上げにバジルで香りをプラス。

カナダでポピュラーなフライドポテトにチーズとグレービーソースをかけた「プーティン」はタコミートをのせてメキシコ風に。900円。カクテルは、黒ニンニクや味噌が香り濃厚な「黒いブラッディーメアリー」1,500円。

鈴木さんが大好きな焼きそばに着想を得た焼きちゃんぽんは、スパゲティに豚骨白湯とアサリだし、ダブルの旨味が染み込んでいる。1,050円。カクテルはハーブのリキュールやマテ茶を使った「タンゴミュール」1,400円。

店の中はレトロモダンな雰囲気。

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Cidernaut/サイダーノート

電話:03・6407・8848
営業時間:12時〜22時30分フードLO、23時ドリンクLO。
酒:サイダー690円(ハーフ)〜。ビール890円(ハーフ)〜。
価格:フード410円〜。ベーグルサンド800円。
席数:カウンター5席。テーブル10卓26席。

東京都渋谷区神山町16−4。無休。交通:京王井の頭線神泉駅から徒歩10分。2020年3月開店。サイダーはアメリカイギリス、ニュージーランド産を中心に、日本のものも。すべてハーフ、ミディアム、パイントの3サイズで提供。12タップあるうち常時9タップがサイダーで、ほかはクラフトビールも。ベーグルサンドなどフードメニューのほか、容器を持参すればサイダーのテイクアウトも可能。

The Bellwood/ザ ベルウッド

電話:03・6452・5077
営業時間:9時〜22時フードLO、23時30分ドリンクLO(金・土〜翌1時30分)。
酒:カクテル1,300円〜。コーヒー550円〜。ビール700円〜。
価格:朝食600円〜。ランチ1,050円〜。おつまみ800円〜。
席数:カウンター11席。テーブル4卓10席。

東京都渋谷区宇田川町41−31。月曜休。交通:京王井の頭線神泉駅から徒歩10分。2020年6月オープン。朝食は9時〜11時30分LO。ランチは11時30分〜16時LO。夜のフードは16時〜22時LO。カクテルは終日オーダー可能。欄間をあしらったバックバー×ステンドグラスが印象的な壁、といった和洋折衷なインテリアも見どころ。〈The SG Club〉同様、デザイナーの杉山敦彦さんが手がけている。

*営業形態、営業時間等は変更になることがあります。

photo/
Shin-ichi Yokoyama
文/
小石原はるか

本記事は雑誌BRUTUS920号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は920号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.920
最高の朝食を。(2020.07.15発行)

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