エンターテインメント

浮遊感のあるSFを漫画でも。|松尾レミ → 佐久間宣行

佐久間宣行のカルチャー交歓!

No. 920(2020.07.15発行)
最高の朝食を。

 松尾レミです。前回挙げてもらったSF小説の『火星年代記』、一気に読んでしまいました。よく宇宙をモチーフにする稲垣足穂の幻想文学が好きなので、テーマも入り込みやすくて。自分は生きているのか死んでいるのか、宇宙とは何なのか、問いが溢れ出て、読んだ後しばらくは浮遊した気分から抜け出せませんでした。お返しにオススメしたいのは、鴨沢祐仁のSFファンタジー漫画『クシー君の発明』。『火星年代記』に「クシーの町」という言葉が出てきたので、もしかして鴨沢さんもここから影響を受けたのかも、なんて妄想半分で選びました。作品は、少年・クシー君を中心に、ロボットやウサギ、惑星までもが人格を持つとある街を舞台にした短編。その街が実際にどこかにあるのではと思わせる完璧な世界観で、私も影響を受けました。幻想的なSF世界が漫画で繊細に表現されている、素晴らしい作品です。

『クシー君の発明』鴨沢祐仁/著

ボウタイに半ズボンの少年・クシー君を主人公にしたファンタジー漫画。1975〜88年に漫画雑誌『ガロ』に掲載された表題作の「クシー君の発明」、「流れ星整備工場」「シガレット一本の話」など13編を収録。PARCO出版/絶版。

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松尾レミ/まつお・れみ
1991年長野県生まれ。GLIM SPANKYの作詞作曲、ボーカル、アートワーク&デザインを担当。新曲「こんな夜更けは」をデジタル配信中。

佐久間宣行/さくま・のぶゆき
1975年福島県生まれ。テレビ東京プロデューサーとして『ゴッドタン』等を担当。『オールナイトニッポン0(ZERO)』に出演中。

編集・文/
福島絵美

本記事は雑誌BRUTUS920号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は920号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.920
最高の朝食を。(2020.07.15発行)

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