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きっかけは外出自粛。ベルリン市民が夢中のユニークな“壁シネマ”。『Window Flicks』●Berlin

Coming Soon?? |日本に来て来て、あの店、このサービス!

No. 919(2020.07.01発行)
東京の正解
昨年のベルリン国際映画祭で上映されたエリック・シュミット監督作品『Cleo』を市内の典型的なアパートの壁で。

このサービスの魅力は?

1. 自宅にいながら大画面で映画観賞。
2. 近隣住民との新たな交流が生まれる。
3. 利用は無料。寄付金は映画館の援助に。


今年3月下旬、コロナ禍によるロックダウン真っただ中にローンチされた〈Window Flicks〉。これはベルリンの建築事務所〈MetaGray〉の代表、オーラフ・カルクホフによるプロジェクト。「自粛・隔離という過酷な状況を、どうしたら少しでも有意義なものにできるか?」という大きな課題への、建築家ならではのアンサーである。

 ドイツでは夏になると公園などでオープンエア・キノと呼ばれる野外映画館が特設され人気を集めているが、このプロジェクトの斬新な点は、アパートなどの集合住宅の外壁をスクリーンにしてしまうところ。だから外出することなしに、窓越しやベランダから観賞可能なのだ。上映が決まったらまず近隣にフライヤーを配布。ご近所の人たちと同時に楽しむことができ、当日は無料でポップコーンまで届けてくれるというから、抜かりない。しかも利用料は無料で、寄付を受け付ける形で運営しているという。

「僕らの願いは、市民がローカルなコミュニティに目を向けること。参加者からは“隣人と初めて会話した”とか“まるで冬眠から覚めたみたい”なんて言葉も。それが何よりの報酬だよ」

 外出制限の緩和が進むベルリンだが、申し込み数は相変わらず増加中。この夏に向け、市内100ヵ所の中庭でミュージシャンの生演奏を伴った新しいアイデアを練っているというから楽しみだ。

クロイツベルク区での上映の様子。
バルコニーで観賞するのは気持ちよさそう。
プロジェクトの発案者オーラフ。
数種類のプロジェクターを採用。音声も付く。
ポップコーンはスタッフによりデリバリー。
全編絵画による『ゴッホ 最期の手紙』。外壁に映える!
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『ウィンドウ・フリックス』
ベルリン市内の裏庭がある建物で、最低20世帯が観賞できることが条件。壁の写真を添えてメールで申し込む。作品はHP掲載のリストから選択。上映は木曜と土曜。http://windowflicks.de

photo/
Alex Klug
text/
Akiko Watanabe
edit/
Hiroko Yabuki

本記事は雑誌BRUTUS919号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は919号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.919
東京の正解(2020.07.01発行)

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