『天重本店』●半蔵門

あの店の名物〆カレー。

No. 918(2020.06.15発行)
CURRY for Geeks 混ぜる、食べる、混ぜる

カレーの専門店ではないけれど、旨いと評判のカレーがある店。最高の食材、極上のだし、専門分野の調味料を使い、研ぎ澄まされた技術で仕上げられた唯一無二の味は、看板メニューとして供されることも。食べずして帰れぬ味に、カレーの奥深さを感じずにはいられないのだ。

辛口カレーかき揚丼750円。平日ランチのみの提供。カリカリに炒めた挽き肉をルーに忍ばせて、食べ応えをプラス。ホタテ、シラウオ入りの海鮮かき揚は、ルーが染みてもサクサクとした食感が続く。

天つゆではなくルーで。海鮮かき揚にカレーの妙技。

 半世紀以上続くオフィス街の天ぷら専門店で根強いファンをつかんでいる「辛口カレーかき揚丼」。意外性に驚くも、カレーにフライはテッパンゆえ、天ぷらが合わないわけがない。「専門店にないカレーを店の名物に」。初代・真柴弘さんは、20年前から組み合わせの妙に気づいていた。カレー側の作法に則って、スプーンで食べるのもユニークだ。ルーはカツオだしでのばしたシャバシャバ系で、スパイシーな天つゆのごとし。一味の辛さにそそられてかき込めば、海鮮かき揚の弾ける食感が口に楽しい。「日本人に生まれてよかった」。丼の底が見える頃には、しみじみ感じ入るはずだ。

「ゴボウより食感が軟らかいのに香ばしいから」。あえてシメジを使うなど、かき揚のタネにも工夫が光る。

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『天重本店』
東京都千代田区麹町2−7 ☎050・3490・8316。11時30分~14時30分LO(平日のみ)、17時〜22時LO。日曜・祝日休。カウンター5席、テービル56席。野菜の天ぷらが彩る辛口カレー野菜丼750円も、平日ランチのみオンメニュー。

photo/
Yoichiro Kikuchi, Shin-ichi Yokoyama, Hiromi Kurokawa
text/
Haruka Koishihara, Koji Okano, Ayako Takahashi
edit/
Haruka Koishihara

本記事は雑誌BRUTUS918号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は918号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.918
CURRY for Geeks 混ぜる、食べる、混ぜる(2020.06.15発行)

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