『BOLT』●神楽坂

あの店の名物〆カレー。

No. 918(2020.06.15発行)
CURRY for Geeks 混ぜる、食べる、混ぜる

カレーの専門店ではないけれど、旨いと評判のカレーがある店。最高の食材、極上のだし、専門分野の調味料を使い、研ぎ澄まされた技術で仕上げられた唯一無二の味は、看板メニューとして供されることも。食べずして帰れぬ味に、カレーの奥深さを感じずにはいられないのだ。

スープドポワソンカレー1,100円。ご飯は、鶏の二番だしとバターを入れて炊いたジャスミンライス。ご飯が奥、ルーが手前の盛り付けは「“ココイチ”がお手本です(笑)」 と仲田シェフ。〈藤巻百貨店〉のカレー専用スプーンを添えて供する。

魚のエキスとハーブ、リキュールが 融合。フレンチ酒場の〆カレー。

 器の中には具のないルーとご飯のみ。一見控えめなルックスだが、この中には魚介の旨味があふれんばかりに溶け込んでいる。

 店主の仲田高広さんは、力強いフランス料理で知られる〈マルディ グラ〉〈レスプリミタニ〉、そして新鮮な鮮魚料理で人気の居酒屋〈まるしげ夢葉家〉でも経験を持ち、料理の引き出しの多さで評判。和仏が融合した一品料理と多様なお酒をあれこれ楽しんだ後の締めくくりとして圧倒的な支持率を誇るのが、この「スープドポワソンカレー」だ。師匠である三谷青吾シェフのスペシャリテ「スープ・ド・ポワソン」のレシピに忠実に、季節の鮮魚をタマネギ、ウイキョウ、ニンニクとともに5〜6時間煮て骨ごと軟らかくしてからミキサーで回したものに、S&Bのカレーミックスで香りとスパイシーさ、濃度をつけて仕上げる。

 白いご飯ではなくバターライスを合わせてあるあたりも心憎く、この一品のためにワインをもう一杯頼みたくなる。

魚は種類を決めず、その日魚屋さんから届いたものを使う。できたスープを随時継ぎ足し、味を調える。ほかの素材はウイキョウ、タマネギ、ニンニクのみ。とにかく魚が主役!

風味づけに欠かせないのが、フェンネルや八角が香るフランスの薬草酒「パスティス」。カレー粉は「主張しすぎないバランスの良さ」からS&Bの《赤缶カレーミックス》を。

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『BOLT/ボルト』
東京都新宿区簞笥町27 神楽坂佐藤ビル1F☎03・5579・8740。17時〜24時。月曜・第2・第4火曜休。カウンター10席。「ハムカツ」
「きんぴら」などのお馴染みメニューも、ひとひねり加えられたフレンチつまみになって登場する。

photo/
Yoichiro Kikuchi, Shin-ichi Yokoyama, Hiromi Kurokawa
text/
Haruka Koishihara, Koji Okano, Ayako Takahashi
edit/
Haruka Koishihara

本記事は雑誌BRUTUS918号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は918号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.918
CURRY for Geeks 混ぜる、食べる、混ぜる(2020.06.15発行)

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