ライフスタイル

ヤンキー・スタジアムは、ガーシュウィンとともに。

生島淳の僕しか知らないアスリートの秘密

No. 916(2020.05.15発行)
クラシック音楽をはじめよう。

 1979年製作のウディ・アレンの傑作、『マンハッタン』の冒頭には、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」が大音量で流れる。これは映画館でもう一度観たい。

 モノクロームで綴られるこの映画、オープニングではニューヨークの名所やささやかな日常が描かれるのだが、なんといっても、ヤンキー・スタジアムの上空からの夜景が圧倒的に素晴らしい。このあと、何度かこの球場を訪れることになるが、いまもって私にとってのヤンキー・スタジアムといえば、ウディ・アレンとガーシュウィンとともにある。

 NYは芸術の街でもあるから、クラシック音楽とも関係性が深い。ただし、日常ではちょっとツイストを利かせるのがこの街の真骨頂。

 NBA、バスケットのニューヨーク・ニックスの試合をマジソン・スクエア・ガーデンに見に行ったときのこと、相手の選手が6ファウルを犯して退場になった。そのとき場内に流れたのが、サラ・ブライトマンが朗々と歌う「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」。すると、ニューヨーカーたちは一緒になって歌いだした。これには笑った。こういうエスプリというか、意地悪なところが好き。

 そういえば、ニックスの試合にはコート近くにいつもウディ・アレンが座っていたっけ。早く、そんな日常が戻ってくるといいのだけれど。

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いくしま・じゅん

スポーツジャーナリスト。近著に『どんな男になんねん』などがある。

イラスト/
土車大八

本記事は雑誌BRUTUS916号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は916号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.916
クラシック音楽をはじめよう。(2020.05.15発行)

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