エンターテインメント

親、友達、学校、そして信仰。 いかにして少年は成長するのか?|『その手に触れるまで』

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 916(2020.05.15発行)
クラシック音楽をはじめよう。
『その手に触れるまで』監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ/出演:イディル・ベン・アディほか/5月22日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開予定。©Les Films Du Fleuve – Archipel 35 – France 2 Cinéma – Proximus – RTBF
ホンマタカシ(以下H)
うーん、ダルデンヌ兄弟(*1)……。
BRUTUS(以下B)
どうしました?
うーん、素晴らしい! 非常事態宣言下の東京でうなるしかない!
もったいぶらないでください(笑)。
アメッド少年が、宗教にはまって、母親と揉めて、先生まで、刺そうとしちゃって、そのあと……って、超シンプルな物語なのに、何なの? このスリリングは? というか、充実感!
イスラム教徒が人口の多くを占める町に住む少年が主人公です。ある時、彼がイスラムの指導者に感化され、過激な行動を取るようになります。そんな彼の成長物語です。
研ぎ澄まされているよね、演出も、構成も、うなっちゃうよ! しまいには、歯ブラシも尖っちゃうからね! あ、ネタバレだ……、危ない、危ない(笑)。あと、ほかのダル兄弟の映画も、そうなんだけど、カメラワーク。ドキュメンタリータッチという手垢がついてしまった言葉があるけど、今回も「なんでそんな近くで追えるの?」という距離感で、それがダル兄弟映画の、主人公の息遣いというか、切迫感が出ている。映画の内容と技術が必然性を持ってそこに存在してるんだよね。
あれ? 今回、真面目ですね(笑)。
純潔に重きを置き、不純を憎む。アーメン。では、ガンジーはガンジス川に沐浴に行きます……。
それは前回のネタですし、宗教も間違えてるし、本当に怒られますよ!
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長編劇映画第4作『ロゼッタ』と第6作『ある子供』でカンヌ国際映画パルムドールを受賞する。そのほか同映画祭で主演女優賞、主演男優賞、脚本賞、グランプリ、監督賞など多数受賞。

本記事は雑誌BRUTUS916号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は916号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.916
クラシック音楽をはじめよう。(2020.05.15発行)

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