ファッション

【話題のファッション】平野太呂と阿部健、2人の写真家による新しいプロジェクト。

BRUTUSCOPE

No. 916(2020.05.15発行)
クラシック音楽をはじめよう。
『grosso』平野さんは6種類、阿部さんは3種類のTシャツを展開予定。撮影から発送までを自分たちの手で行う、DIYプロジェクトでもある。

アティチュードの宿ったフォトTシャツ。

 受注仕事ではなく、自分から発信して何かを販売することを常々考えていたフォトグラファーの平野太呂さんが、自粛要請という、現場に立つことが求められるフォトグラファーには厳しい状況の中で新しいプロジェクトを立ち上げた。写真集よりも、もっと気軽に手に取ってもらえるものを、と考えたのがフォトTシャツ。かつてのアシスタントでもある、盟友の阿部健さんに声をかけた。

「バンドがライブでTシャツを売るようなノリで作れたらなと思ったんです。阿部ちゃんなら、そのノリがわかってくれるから。僕はアメリカのダイナーとかでお土産として売ってるTシャツが好きなので、ノベルティ感覚で買えるものとして今まで出した写真集から選んでプリントしています」

 一方で阿部さんはよりコンセプチュアルな作品世界をTシャツに写している。

「フォトTって気軽に作れるけど、実は写真選びが難しいと僕は思うんです。なので、どうせならプリントとは違う見え方がいいと、ZINEに掲載した写真をページそのまま複写してTシャツにしています。ロゴはシルクスクリーンで自分たちで刷るし、スレとかヨレとか手の痕跡も残るから、やっぱりZINEのようなものかなと思ってます」

 最近亡くなってしまった2人が好きだったスケーターの名を冠した〈grosso〉というブランドの下、それぞれまったく違うコンセプトでフォトTシャツを作る。表現と呼んでしまうと大袈裟だが、どんな時にも手を動かし続ける彼らのスタイルには、軽く、けれど意義のあるポジティブさが宿っている。Tシャツも、やはりメディアなのだ。

『grosso』

完全受注生産によるフォトTプロジェクト。平野さんは『POOL』『LOS ANGELES CAR CLUB』など写真集からの抜粋のほか、アメリカ横断した際の未発表写真を使ったTシャツも。オーダーは、それぞれのHPから。予価4,300円。
平野太呂/https://www.tarohirano.com 
阿部健/http://www.takeshiabe.com

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photo/
Taro Hirano
text/
Toshiya Muraoka

本記事は雑誌BRUTUS916号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は916号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.916
クラシック音楽をはじめよう。(2020.05.15発行)

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