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【話題のショートフィルム】世界を魅了中の〈ローラ ジェームス ハーパー〉創始者による旅の記録とは。

BRUTUSCOPE

No. 916(2020.05.15発行)
クラシック音楽をはじめよう。

『WITH』

パリ・レバノン・LAを記録したショートフィルム。LAのGolden State Film FestivalでBEST Travel Documentaryを受賞、ロンドン国際映画祭で3部門にノミネートされた。国内公開未定、〈ローラ ジェームス ハーパー〉のサイトで一部観賞可。https://www.lolajamesharper.com

旅するアーティストが奏でる、美しい風景と香り。

 2013年にパリのセレクトショップ〈コレット〉で香りとアートワークを軸にしたブランド〈ローラ ジェームス ハーパー〉を発表。パフューム・クリエイティブディレクターであり、多様な表現方法に挑んできたラミ・メックダチ氏が初のドキュメンタリーフィルムを製作し、世界の注目を集めている。

「20年も旅をしながら音楽を作り、写真や映像を撮ってきました。2014年にアーカイブを掘り下げて編集し始めたのが『WITH』のきっかけ。パリで録音されたかもしれない曲やベイルートでの会話、テキサスの光景……。最初は10分だったものが61分にもなり、世界各地で上映するようになりました」

 作中には会話をするように音を奏で合い、心を通わせるラミ氏とそのファミリー、友人たちの姿が映し出される。旅というフィルターを通して人生に“本当に必要なもの”が静かに浮き彫りにされていく、そんな印象だ。

「旅先では普段は見えない“ほかの真実”や善悪の別の概念に直面せざるを得なくなる。私たちを先入観から解き放ち、心を解放してくれるのが旅なのです。さらにローカルの人の話に耳を傾けることで、各地の伝説や物語にも触れられる。それは素晴らしい体験です」

 ラミ氏といえば場所の記憶を香水に昇華してきたことでも知られる。旅が創作の礎だとしたら、すべてのクリエイションはその上を漂う波のように影響し合っているのだろうか。

「五感のリンクがクリエイティブの工程に不可欠なのは確か。香りを嗅ぐときは常にサウンドのイメージを重ねているし、写真を撮る際には周囲の匂いや音を感じています。そうすることで素早く物事の本質に迫れるのです」

ラミの好きなパリの音楽スタジオ、トルフォに思いを馳せた香り。右から、ローラ ジェームス ハーパー 2 ルーム スプレー 50㎖、同 キャンドル 190g各6,800円(共にミッド タウンプロジェクト☎03・6455・4367)

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RAMI MEKDACHI

ラミ・メックダチ/1971年にレバノンのベイルートで生まれパリで育つ。パフューマーとしてキャリアをスタートさせた後、ミュージシャン、写真家映画監督としても活動。

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Chihiro Horie

本記事は雑誌BRUTUS916号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は916号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.916
クラシック音楽をはじめよう。(2020.05.15発行)

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