【清澄白河、ナチュラルワインではしご酒】DinerVàng/Wine&Cucina SIORI

グルマン温故知新

No. 915(2020.05.01発行)
HOME SWEET HOME 居住空間学2020

ナチュラルワインで盛り上がる清澄白河へ。

数年来、賑わいを増している東京イーストサイドでも、個人店の開業が相次ぎ注目を集める清澄白河。とりわけ、ナチュラルワインの店が増え続けている。使い勝手も居心地も抜群のベトナム料理に、居酒屋感覚で使えるイタリアン。はしご酒上等な距離もありがたや。

『DinerVàng ●清澄白河』ワインにぴったり、ハーブ満載ベトナム料理。

 店構えはカフェのようにカジュアルだけど、厨房を仕切るのは経験豊かなベトナム人シェフ。飲み頃のナチュラルワインを揃えて夜は一杯からお気軽に、ランチはテイクアウトもアリという全方位型。こんなベトナム料理店を待っていた!

シェフのファム・フィ・ロイさん(右)、妻で料理人のリン・ダンさん。

 勝どきのワイン酒場〈ペシュール アグライア ラ テーブル〉の2号店。旅を重ねるうちにベトナムの味に惚れ込んだというオーナーの石井りかさん。開業に当たり、ホーチミンのレストランで活躍したシェフを招き、祖父母の家があった茨城県鉾田市でハーブも育てるという気合の入りっぷりだ。定番の生春巻きやパパイヤのサラダ、フォーなどに加え、ハスの茎のサラダやブン(ベトナム版ビーフン)など、日本ではあまり見かけない現地の味も紹介。甘味、酸味、辛味が調和した味つけは、フレッシュハーブの清涼感も加わり、ワインと抜群の相性。エスニック×ナチュラルワインのシーンを切り開く。

壁の大きな扇子はベトナムで購入したもの。

『Wine&Cucina SIORI ●清澄白河』ひねりのある味にワインが進むイタリア酒場。

 店主の達城宗和さんは、江東区育ち。地元に老若男女が集える場所を、と開いた店は、オープンからわずか2ヵ月で、ご近所さんが営業時間前にふらり立ち話に寄るほど。名の通り、すでに「町のブックマーク(栞)」的存在になっている。

エプロンにニットキャップ姿でカウンターに立つ達城さん。

 キャリアはイタリアン一筋。トラットリアからリストランテ、ワイン酒場と幅広い店で、調理もサービスも経験したが、店は「居酒屋にしたい」と達城さん。素材と調理法で和伊を行き来するつまみで、ワイン飲みのツボを突いてくる。焦がしバターで軽く火を入れたカツオのマリネは、いわく「洋風のタタキ」。鶏肝の山椒煮は、馴染みの焼き鳥店の一品にヒントを得たというが、低温調理によるねっとりとした火入れはレストランの仕事だ。で、リモンチェッロのソーダ割りを「レモンサワー!」と注文できる気軽さ。カウンター越しのゲストとのやりとりで、グラス売りのワインをバンバン開けていくさまもグルーヴィだ。

【大島 初ガツオの漬け 軽いムニエル】ビジュアルはカツオのタタキだけれど、赤ワインと醤油でヅケにして、表面に軽く火を入れながら、焦がしバターの香りも纏わせている。オリーブオイルをかけ、ショウガとミョウガで和の香味を添えて。白も赤も両方いける一皿。魚は門前仲町の鮮魚店から、その時々のいいものを仕入れて使用。1,780円。

【自家製サルシッチャ】肉々しいサルシッチャは、ニンニクの味が前面に出ないよう、ニンニクで香りづけした赤ワインでタネを練っている。セージ、ローズマリーなどのハーブは、その時期のほかの料理とのバランスで使い分け。1,480円(2本)。

【パスタ 仔羊のラグー】パスタは時期替わりで1種を用意。仔羊のラグーは、野菜をしっかり炒めて旨味を引き出し、トマトに合うオレガノを多めに投入。ペコリーノ・ロマーノをたっぷりかけて。赤ワインを呼ぶおつまみパスタ。1,580円。

元倉庫の物件。こぢんまりとしていても、天井が高く開放的。

カテゴリの記事をもっと読む

DinerVàng

電話:03・5245・5258
営業時間:11時~23時。ランチ~14時。
酒:ベトナムビール660円、ワイン(グラス)605円~。
価格:アラカルトのみ約25種。前菜440円~、麺やご飯は825円~。
席数 :カウンター10席、テーブル8卓18席。

東京都江東区三好3−10−3。月曜休。東京メトロほか清澄白河駅B2出口から徒歩4分。2020年4月1日オープン。ランチはバインミー3種715円~、麺類(フォー、ブン)935円~。テイクアウトはバインミーのみ。ベトナムのもち米焼酎などもあり、ボトルキープも可。食後は清澄白河〈アライズ コーヒー ロースターズ〉から仕入れるベトナム産の豆で淹れたスペシャルティコーヒーを。495円。

Wine&Cucina SIORI

電話:03・6240・3278
営業時間:18時~翌3時(フード23時LO)。
酒:生ビール700円、グラスワイン800円~、ボトルワイン5,500円~。
価格:アラカルトのみ約15種。前菜780円~、メイン2,280円~。
席数 :カウンター12席、テーブル4卓12席。

東京都江東区白河2−4−12。火曜休。東京メトロほか清澄白河駅B2出口から徒歩6分。2020年2月4日オープン。パン代1人300円。達城さんは、都内の有名店で修業後、東銀座イタリア酒場〈SOYA〉に立ち上げから8年勤め独立。23時からバー営業で、自家製ピクルスやオリーブなど軽いつまみを用意する。1品500円~。ドルチェはメニューにないけれど、ジェラートほか数種あり。

記載した価格はすべて税込みです。営業形態、営業時間等は変更になることがあります。

photo/
Naoki Tani
文/
佐々木ケイ

本記事は雑誌BRUTUS915号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は915号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.915
HOME SWEET HOME 居住空間学2020(2020.05.01発行)

関連記事