ライフスタイル

今年流? スポーツの楽しみ方。

生島淳の僕しか知らないアスリートの秘密

No. 914(2020.04.15発行)
いつか旅に出る日。

 スポーツがない春は、退屈で、さびしい。

 昔、古今亭志ん生が「落語ってのは、なくっても、なくってもいいもの」と言っていたそうだが、これは逆説的な物言いで、落語が人生の潤いには欠かせないことを表現した至言。スポーツだって、同じだよな……としみじみ感じた。

 こんなときはどうするか? こういうときこそ、本やドキュメンタリーを漁って、スポーツの「旅」をしましょ。

 まず、マイケル・ルイス。この人、『マネー・ボール』の作者として知られてますが、昔かたぎの指導者を書いた『コーチ』、サンドラ・ブロックがアカデミー主演女優賞を受賞した映画の原作、『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』あたりを読むと、アメリカの文化におけるスポーツの役割が見えてくる。ルイスは経済モノも得意なので、荒れる株式市場を考えるなら、『世紀の空売り』『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』もオススメです。

 映像の方では、ネットフリックスの『魔球シンカー:王建民物語』が味わい深いです。王建民は台湾出身で、2006年にはニューヨーク・ヤンキースのエースとして最多勝をあげるなど大活躍。その後、度重なるケガで輝きを失うが、復活に向けて黙々とトレーニングを続ける。興味深いのは、「台湾の英雄」として、彼がどのような十字架を背負ったかということ。日本の報道にもつながる部分があるのです。

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いくしま・じゅん

スポーツジャーナリスト。近著に『どんな男になんねん』などがある。

イラスト/
土車大八

本記事は雑誌BRUTUS914号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は914号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.914
いつか旅に出る日。(2020.04.15発行)

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