ひと山儲けてやろうと、この街に出てきた。山を越え、大河を渡り、シャベルを振りまわして大暴れ、騙されたり、騙したり、血を流したことも多々ある。俺のまわりに平和な時間なんてこれっぽっちも流れていなかった。ヴァイオレンス極まりないことが日々襲ってきた。狼みたいな男、猪みたいなガキ、蛇みたいな女、狸みたいなオヤジ、キリギリスみたいな婆さん、みんな俺の敵だったが、なんとかくぐり抜け山を手に入れたんだ。
- 編集/
- 村岡俊也
本記事は雑誌BRUTUS914号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は914号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。