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【愛される仕事術】雑誌『BRUTUS』若手随一の実力編集犬・だいふくの一日に迫る

BRUTUS.jp オリジナル記事

No. 913(2020.04.01発行)
犬がいてよかった。

編集部内若⼿で、随⼀の実⼒を誇るだいふく。 ベテラン編集者から⼀⽬置かれる、その理由に迫る。

11:00 出社

だいふくが通う出版社マガジンハウスの⼊⼝では、ポパイ、そしてその恋⼈オリーブのイラストがお出迎え。
カートゥーンキャラクターとしてのブルータスポパイはライバル関係だが、ここマガジンハウスの諸先輩⽅がつくりあげた雑誌『POPEYE』『Olive』への敬意は忘れない。
先輩たちが通ってきたポパイ、オリーブの扉。
ここを通るときこそが、⼀⽇で、もっとも気が引き締まる瞬間だ。

ファッション、アート、インテリア、フード……様々な資料に囲まれながら仕事する。机の達磨は決意の証、「語り継がれる特集を」配属された時にそう誓った。

着席。まずはメールチェックだ。
100通を超えるメール、埋もれる情報の中に、ピカッと光るものを⾒つけだす、いや嗅ぎ分ける。
⾃他共に認める、「⽇本⼀嗅覚のするどい編集者」たるゆえんだ。

撮影中の写真をモニターでチェック。「この写真、良いな」、編集⽝の⿐がピクリと動く。

13:00 ⾃社スタジオで取材と撮影

地下スタジオへ。カルチャーページ「BRUTUSCOPE」のマンガ家・A先⽣取材と撮影。
編集者に厳しいことでも有名なA先生だが、到着するなりだいふくのもとへ。現場に緊張感が⾛る。
「はぁ、随分と⽑並みが綺麗ですね。触っても?」「もちろんです!」
これまで数多の編集者が苦戦した先⽣も気がつけば猫撫で声。
だいふく最強の特技「愛され⼒」で、取材は⼤成功。

⿐先で⽂字を追うだいふく。校正者に教えを乞うときはいつも低姿勢。

15:00 校正者に相談

だいふくは、細かいディティールにもいっさい⼿を抜かない。
ライターから届いた原稿を印刷所へ⼊稿し、ゲラ(雑誌の試し刷り)が上がったら⼊念に読み返す。⽂章表現に疑問を感じたら、熱い信頼をよせる校正者のもとへ。
「この漢字はルビを振った⽅が良い? 表現は正しい?」「〝敷居が⾼い″って、〝気軽には⾏きにくい″って意味じゃなかったのか」。
パーフェクトな状態で、読者へ原稿を届けたいというプロ意識の表れだ。

16:00 デザイン打ち合わせ

スタッフに愛されるだいふくも、時にはアツくなる。
「誰よりも⽝の気持ちが分かる」という特技を編集⻑に評価され、担当することになった⽝特集。
その誌⾯のデザインを決める打ち合わせでヒートアップ。
「⽝だからわかるんです。ブルドックのチャームポイントであるプリッとしたお尻は、⼤きく⾒せるべき!」
リサーチや取材を重ねて、具体的になったビジョン、伝えたい思いを⼀⽣懸命伝えつつ、デザイナーの意⾒も取り⼊れ、話し込むこと30分……。

「これにしましょう!」

ようやくまとまって、デザイナーもご満悦。
「⾃分の信念を曲げないでぶつかってくるだいふく。彼の熱量に応えるデザインにしなければ、と気合いが⼊りますね」
⼤きな声で、相⼿の⽬を⾒て⾃分の意⾒を⾔う。
真っ直ぐなだいふくの姿勢に突き動かされて、周りのスタッフのモチベーションも上がります。

18:00 表紙選び

編集経験が短いにも関わらず、⼤事な仕事を任せられる事も多くなってきた。
雑誌の顔である表紙をどうするかは、重要な決断だ。
デザイナーと考えたいくつかのパターンの中から、選りすぐりの1 枚を、⾃慢の⿐で嗅ぎ分ける。
「だいふくが選んだ表紙は売れる」
某タレントの写真集がバカ売れしたのも、担当編集がだいふくに意⾒を求めたから、との噂も……。
しかし、だいふくはこの作業に苦戦。
書店にどう置かれるのか? コンビニの棚にさされた時は? ネット書店にアップされた時は? あらゆる場⾯を考慮する。
「編集⻑、営業部にも聞いてみましょう」
煮詰まったら、周りの意⾒にも⽿を貸す。
そんな素直な姿勢も、先輩編集者から認められる所以だ。

帰りのエレベーターでは満⾯の笑み。「やり切りました!」

20:00 帰宅

悩んだ末に表紙も決まり、本⽇の業務はすべて終了。
最近は終電まで働くことも多かったので、この時間に帰れるのは稀なこと。
「家に帰ったら何⾷べよう、どこ散歩しよう」
頭の中はそんなことでいっぱい。
この時ばかりは敏腕編集⽝のだいふくも、普通の⽝に戻ったかのよう。


1⽇編集者モデルになってくれた、だいふくが表紙を選んだ? いや、飾った『BRUTUS』(913号)、「⽝がいてよかった。」が現在発売中です。

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だいふく/2013年9⽉17⽇⽣まれ、♂。公式インスタグラム「@daifuku_channel」では可愛い写真を更新中。HP「柴⽝雑貨だいふく商店」ではグッズ展開も。

PHOTO/
OOUCHI KAORI
TEXT/
BRUTUS.jp

本記事は雑誌BRUTUS913号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は913号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.913
犬がいてよかった。(2020.04.01発行)

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