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【4月11日公開】気鋭のクリエイター・吉開菜央の“踊り”的映画作品を一挙上映!

BRUTUSCOPE

No. 912(2020.03.16発行)
WORK WEAR 働く服は美しい
吉開菜央 よしがい・なお/1987年山口県生まれ。生き物ならではの身体的な感覚や現象を題材にした作品を数多く発表。2020年2月には、北海道・知床で写真家の石川直樹との2人展を開催した。

豊かな身体表現が五感を刺激するとき。

 映画作家、また米津玄師の「Lemon」のMVでのダンスなど、ダンサー・振付家としても活躍する吉開菜央の、昨年のカンヌ国際映画祭の監督週間に正式招待された『Grand Bouquet』を含む6作品が、4月に初めて劇場公開される。
 吉開の作品は、得意のダンスなどの身体表現をモチーフとし、言葉を介さず観る者の五感を強烈に刺激する。それを吉開は「情動」と表現する。
「ある雑誌で、人は“情動”がないと自分の行動を決定することができないって言ってたんですよ。言葉で分析して考える以上の何かがちょっと働いて行動に移す。それはすごく“踊り”的だなと。そういうものをすくい取って映画にしていきたいなって思ったんです」
 吉開の作品でむしろ雄弁なのは、身体もだが「音」である。『Grand Bouquet』は今回初めて5.1chの音響で上映される。
「塚本晋也さんの『鉄男』などの音響で有名な北田雅也さんと『ほったまるびより』で初めてご一緒させていただいて。それで音でこんなに変わるんだなと思いました。それからいろんな音楽家さんや音響の方たちとご一緒して作品を作っていくうちに、私自身も音や音楽について映画の言葉にできるくらいの引き出しができてきて、画に当て始めたって感じです」
 また、吉開作品のイメージ世界を作っている要素の一つに「水」がある。
「水って私の皮膚の中にも入っているけど、何かと何かをつなぐものなんですよね。それ自体も変化するし、匂いにもなるし、水蒸気になって飛んでいくし。そういう巡りを促すものとして私は惹かれているんじゃないかなと思いました」
 吉開の最近のお気に入りの映画は、ルカ・グァダニーノ監督の『サスペリア』だという。なるほど、ダンスありのダークなファンタジー。この作品がお好きな方もぜひ吉開ワールドをご堪能あれ。

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『吉開菜央特集 Dancing Films』

吉開の監督作より、『Grand Bouquet』『ほったまるびより』『静坐社』『梨君たまこと牙のゆくえ』『みずのきれいな湖に』『Wheel MUSIC』の6作品をセレクトし、4月11日〜17日渋谷・ユーロスペースで公開。

photo/
Shinpei Suzuki
text/
Mikado Koyanagi

本記事は雑誌BRUTUS912号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は912号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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