【大阪流】ゼロワンカレーA.o.D/ふぐ倶楽部miyawaki

グルマン温故知新

No. 911(2020.03.02発行)
大阪の正解

大阪で、人気の味を東京で。

食い倒れシティ・大阪から、東京へやってきた2人の料理人の店。一人は、大阪では当たり前の存在「フグ」をもっと東京に広めたいという思いを抱いて。もう一人は、大阪で盛り上がっているカレーブームのど真ん中から、より自身の味を極めるために。

『ゼロワンカレーA.o.D ●田町』東京でさらに進化した、大阪生まれのカレー店。

 スパイスカレーの最激戦区といわれる大阪・谷町エリアにあった人気店が、昨年、東京・田町に進出した。支店を出したのではなく、完全なるお引っ越し。「最初は大阪で広い移転先を探していましたが、すでにカレー店がひしめいているし。それならば東京に拠点を移して、より南インドの味を追求してグレードアップした料理を出せるお店を、と決意しました」とは、店主の立田侑志さん。

毎年ケララ州を訪れて見聞を広めている立田さん。

 メニューはすべて、カレーとご飯に野菜の副菜がセットになった南インドの定食、「ミールス」スタイルで提供。南インドの中でも、良質なスパイスやココナッツなどの食材が豊富なケララ地方の料理がベースだ。

 ぐっと広くなった厨房では、肉を炭火で焼いたりスモークしたりとパワーアップ。大阪時代より種類が増えた副菜には、渥美半島の農園〈パッチファーム〉など産地直送の味の濃い野菜をたっぷりと。より香り高いケララ州の味を目指して。

【チキンマサラA.o.D】低温加熱し炭火で炙った鶏もも肉のカレー。副菜は左から、季節のフルーツ入りベルプーリ、3種野菜のトーレン、バンガロールベジヌードル、乳酸発酵アチャール。銀の器にサンバルとラッサム、ご飯の上にはワダ、脇にはダールが。昼1,450円、夜1,550円。ご飯はレッドマッタライス(+250円)。
【チキンマサラA.o.D】低温加熱し炭火で炙った鶏もも肉のカレー。副菜は左から、季節のフルーツ入りベルプーリ、3種野菜のトーレン、バンガロールベジヌードル、乳酸発酵アチャール。銀の器にサンバルとラッサム、ご飯の上にはワダ、脇にはダールが。昼1,450円、夜1,550円。ご飯はレッドマッタライス(+250円)。

【レディースミールス】小さめのカレー2種とご飯を選べるミールスに、自家製ケーキとドリンクが付いて盛りだくさん。写真のカレーは「スモークラム肉のビンダルー」と「寒ブリのモイリー」。女性だけでなく、男性でもオーダー可。2,150円。
【レディースミールス】小さめのカレー2種とご飯を選べるミールスに、自家製ケーキとドリンクが付いて盛りだくさん。写真のカレーは「スモークラム肉のビンダルー」と「寒ブリのモイリー」。女性だけでなく、男性でもオーダー可。2,150円。
【レディースミールス】小さめのカレー2種とご飯を選べるミールスに、自家製ケーキとドリンクが付いて盛りだくさん。写真のカレーは「スモークラム肉のビンダルー」と「寒ブリのモイリー」。女性だけでなく、男性でもオーダー可。2,150円。

【季節の焼タルト】パティシエである立田さんの妻・桃子さんによるスイーツブランド〈オカシモアルヨ〉のスペシャリテは、旬のフルーツを使った焼きタルト。写真は紅まどんな入りで、爽やかな味わい。テイクアウトも可能だ。495円。

店内にはさまざまな植物が飾られ、リゾートを思わせる雰囲気。

『ふぐ倶楽部miyawaki ●東銀座』よそ行きじゃない、普段着気分のフグ料理店。

 フグといえば高級食材で、フグ料理店は高嶺の花。店主の宮脇崇さんは、大阪とは異なる東京でのフグのイメージを塗り替えて、もっと日常的に食べてもらいたい! という思いから、このお店をオープンした。

包丁さばきもトークも鮮やかな宮脇さん。

 遡れば、大阪で複数店舗を展開している〈大阪とらふぐの会〉という会員制のフグ料理店に入社。店長を任された後、東京進出担当となり上京。無事に軌道に乗せ、見事独立に至った。

 お造りや唐揚げ、ふぐちりなど、フグずくめのコースが9,350円(!)は、大阪でも破格だ。もちろん、この価格だから天然フグではないが「味がのっていて、生でも焼いてもおいしい」という3㎏前後の養殖ものを吟味。4〜5日間かけて熟成させて、さらに旨味を凝縮させる。

 3階建ての店の1階をカウンター席にしたのも、気軽に入ってほしいから。「てつ揚げとハイボールで一杯、も大歓迎」と宮脇さん。コースもいいけど、フグでちょい飲みも楽しそう!

【てつ焼き】3層からなるフグの皮のうち、真ん中にある「とおとうみ」、身とくっついている薄皮「みかわ」を、それぞれきれいに剥いでニンニク塩だれをまぶしたのがこちら。ロースターで焼いて食べれば、プリッ、コリコリッとした食感がホルモン焼きのようで新鮮! 料理はすべておまかせコース9,350円から。
【てつ焼き】3層からなるフグの皮のうち、真ん中にある「とおとうみ」、身とくっついている薄皮「みかわ」を、それぞれきれいに剥いでニンニク塩だれをまぶしたのがこちら。ロースターで焼いて食べれば、プリッ、コリコリッとした食感がホルモン焼きのようで新鮮! 料理はすべておまかせコース9,350円から。

【てっさ】フグといえば、やっぱりお造りは欠かせない。やや厚めに引いてあるから弾力ある食感も楽しめ、ごちそう気分を存分に噛み締められる。もみじおろし入りの自家製ポン酢と、あん肝醤油を添えて。
【てっさ】フグといえば、やっぱりお造りは欠かせない。やや厚めに引いてあるから弾力ある食感も楽しめ、ごちそう気分を存分に噛み締められる。もみじおろし入りの自家製ポン酢と、あん肝醤油を添えて。

【てつ揚げ】身はすべて、最初にきっちり血抜きをし、余分な水分を抜きつつ空気に触れさせず熟成させている。その甲斐あって、カラリと揚がった唐揚げも、身がプリプリしていてジューシー! 身離れも良い。

モノトーンで統一されたカウンターは、従来のフグ料理店と一線を画す雰囲気。

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ゼロワンカレーA.o.D

電話:03・6722・6380
営業時間:11時30分〜14時30分LO、17時30分〜20時30分LO。
酒:ビール550円〜。グラスワイン650円〜。〈石見麦酒〉とのコラボ銘柄も。
価格:ミールス1,000円〜。ケーキ495円〜。
席数 :カウンター10席。テーブル1卓16席。

東京都港区三田3−2−9 杉浦ビル1F。水曜・木曜休。交通:JR田町駅、都営地下鉄三田駅から徒歩4分。2019年8月に開店。店名の「A.o.D」とは「Aromas of Dakshin(南の香り)」の略記。すべてのミールスはご飯、サンバル、ラッサム、ダールのお代わり無料。すべての料理は豚肉不使用、グルテン&アルコールフリー。ベジミールスはビーガン対応でもある。ランチタイムの予約は不可。

ふぐ倶楽部miyawaki

電話:03・5579・9842
営業時間:17時〜22時LO。
酒:ビール880円、ひれ酒990円、ひれ焼酎800円、日本酒880円〜。
価格:白子3,080円、真子(卵巣)のピザ1,320円、ぶつ切り1,430円など。
席数 :カウンター6席。2階テーブル4卓12席、3階個室2室。

東京都中央区銀座1−22−12。不定休。交通:東京メトロ・都営浅草東銀座駅から徒歩8分。2019年10月にオープン。コースの内容は、てっぴ(皮を使った前菜)・てっさ・一品料理・てつ焼き・てつ揚げ・てっちり(ふぐちり)・雑炊とデザート。フグ料理店でお馴染みの「ひれ酒」のほか、フグのひれを漬け込んだ「ひれ焼酎」があったり、出雲の「天穏」がフルラインナップなど、お酒も充実。

photo/
Shin-ichi Yokoyama
文/
小石原はるか

本記事は雑誌BRUTUS911号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は911号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.911
大阪の正解(2020.03.02発行)

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