アート

The Five Senses: Smell (1637)| ヤン・ミーンセ・モレナール

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 911(2020.03.02発行)
大阪の正解

 時は、オランダが世界的な影響力を振るっていた「オランダ黄金時代」。芸術が大きく躍進を遂げるなかで、ヤン・ミーンセ・モレナール(1610頃〜1668)という画家が登場しました。多くの肖像画を残したこの画家ですが、描く人物の顔や表情がちょっと変わっているんです。タイトルの通り「五感」は、彼の代表作シリーズ。「五感:嗅覚」という題名が付された上の作品もその一つです。子供のおケツを白い布で拭き拭きしているおかみさんは、なぜかばっちりカメラ目線でキメ顔。その横では、おっちゃんが鼻をつまんで「おい、この臭いたまんねーな〜」って顔をしています。さらに2人の間には、ぼんやりと描かれた別の男の顔があって、「けけけっ」ってな具合に笑っていますよ。なんとも、お茶目というか、すっとぼけた一場面です。ほかの作品を見てみても、どうにも人々の顔が一風変わった表情とともに描かれています。きっと画家本人も笑えることが好きだったに違いない。モレナールさん、もれなーく面白いんです。

アートカテゴリの記事をもっと読む
文/
中村志保

本記事は雑誌BRUTUS911号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は911号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.911
大阪の正解(2020.03.02発行)

関連記事